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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科65巻6号

2011年06月発行

文献概要

特集 第64回日本臨床眼科学会講演集(4) 原著

急性網膜壊死に伴う牽引性網膜剝離の治療に光干渉断層計が有用であった1例

著者: 岩見久司12 山本学1 河野剛也1 戒田真由美1 白木邦彦1

所属機関: 1大阪市立大学大学院医学研究科視覚病態学教室 2石切生喜病院眼科

ページ範囲:P.881 - P.884

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要約 目的:急性網膜壊死に続発した網膜剝離の治療にスペクトラルドメイン光干渉断層計(SD-OCT)が有用であった症例の報告。症例:17歳男性が右眼の充血と眼痛で受診した。矯正視力は左右とも1.2であり,右眼に前眼部の炎症所見と周辺部網膜の白濁と出血,乳頭の発赤があった。急性網膜壊死として抗ウイルス薬と消炎薬を投与したが,硝子体液混濁が増強し,1か月後に硝子体手術を行った。その3週間後に乳頭黄斑領域に網膜剝離が生じ,SD-OCTで乳頭前のWeiss輪による牽引が原因と判断した。硝子体手術で牽引を解除し,網膜剝離は消失した。結論:SD-OCTによる所見は,急性網膜壊死への硝子体手術後に続発した増殖性病変の病態診断に有用であった。

参考文献

1)三木大二郎:ARNに対する硝子体手術のコツとタイミング.岡田アナベルあやめ(編):眼科プラクティス16.118-119,文光堂,東京,2007
2)菅本良治:ウイルス性網膜炎の手術適応と術後管理.臨眼 60(増):183-188,2006
3)大谷倫裕:OCTの基礎.日本の眼科 80:137-142,2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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