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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科65巻6号

2011年06月発行

文献概要

特集 第64回日本臨床眼科学会講演集(4) 原著

東北大学病院におけるぶどう膜炎の臨床統計

著者: 大友孝昭1 阿部俊明2 劉孟林1 渡邉亮1 津田聡1 岡村知世子1 千葉真生1 布施昇男1

所属機関: 1東北大学大学院医学系研究科神経・感覚器病態学講座眼科・視覚科学分野 2東北大学大学院医学系研究科附属創生応用医学研究センター細胞治療分野

ページ範囲:P.891 - P.894

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要約 目的:過去1年間に受診したぶどう膜炎患者の統計の報告。対象と方法:2010年3月までの1年間に東北大学病院眼科を初診したぶどう膜炎患者171例を病型別に解析した。結果:男性81例,女性90例で,平均年齢は48歳であり,男女間に年齢の差はなかった。128例(75%)で病型分類が可能で,43例(25%)は分類不能であった。サルコイドーシスが23例(14%)で最も多く,原田病が13例(8%),ヘルペス性虹彩毛様体炎が13例(8%),Behçet病が8例(5%)で続いた。1965年からの3年間,1985年からの3年間,1993年からの9年間の当科での結果と比較し,Behçet病とトキソプラズマ病が有意に減少していた。結論:ぶどう膜炎ではサルコイドーシスが最も多く,Behçet病が減少している。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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