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特集 第64回日本臨床眼科学会講演集(4)
原著
文献概要
要約 目的:涙点プラグつき単管型涙道ステントであるEagle涙道チューブの使用経験の報告。対象と方法:涙小管閉塞がある女性7例7側を対象とした。年齢は40~76歳(平均64歳)である。上下の涙小管へのステント留置は困難であった。鼻涙管閉塞が5例,涙囊炎が2例にあった。結果:Eagle涙道チューブの留置期間は1~12か月(平均6か月)であり,全例で涙管の通水が可能になった。抜去の1か月後に涙囊炎による再閉塞が1例,涙点の肉芽形成,プラグの偏位,通水時のプラグ埋没が各1例にあった。結論:Eagle涙道チューブは涙小管閉塞に対するステントとして有効であるが,通水時のプラグ埋没などに留意する必要がある。
参考文献
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