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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科65巻7号

2011年07月発行

文献概要

特集 第64回日本臨床眼科学会講演集(5) 原著

新生児の外眼部細菌感染症に対するトスフロキサシントシル酸塩水和物点眼液の有効性と安全性の検討

著者: 宮永嘉隆1 東範行2 大野重昭3

所属機関: 1西葛西・井上眼科病院 2国立成育医療研究センター眼科 3北海道大学大学院炎症眼科学講座

ページ範囲:P.1043 - P.1049

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要約 目的:トスフロキサシントシル酸塩水和物0.3%点眼液の新生児に対する効果と安全性の報告。対象と方法:過去27か月間に外眼部細菌感染症の治療に本剤を投与した新生児48例を調査した。有効性は担当医の判定と評価基準に基づく改善率で評価した。結果:本剤に抗菌薬を併用した4例を除く44例を評価の対象とした。本剤は44例中43例(97.7%)で有効,32例中23例(71.9%)で改善と判定され,検出菌は16例中13例(81.3%)で消失した。未熟児を含む全48例に有害事象はなかった。結論:新生児の外眼部細菌感染症に対し,トスフロキサシントシル酸塩水和物0.3%点眼液は有効で安全であった。

参考文献

1)神山朋子・杉浦陽子・久田晴美・他:新規ニューキノロン系抗菌点眼薬トシル酸トスフロキサシン点眼液の薬効評価(1)細菌学的評価.あたらしい眼科 23(別巻):3-11,2006
2)北野周作・宮永嘉隆・大野重昭・他:新規ニューキノロン系抗菌点眼薬トシル酸トスフロキサシン点眼液の小児の細菌性外眼部感染症を対象とする非対照非遮蔽多施設共同試験.あたらしい眼科 23(別巻):118-129,2006
3)金子行子・内田幸男・北野周作・他:汎用性抗生物質等点眼薬の市販後調査における評価基準.あたらしい眼科 15:1735-1737,1998
4)北野周作・宮永嘉隆・大野重昭・他:新規ニューキノロン系抗菌点眼薬トシル酸トスフロキサシン点眼液の細菌性外眼部感染症を対象とするオープン試験.あたらしい眼科 23(別巻):68-80,2006
5)北野周作・宮永嘉隆・大野重昭・他:ニューキノロン系抗菌点眼液TN-3262a(トシル酸トスフロキサシン点眼液)の細菌性外眼部感染症を対象としたレボフロキサシンとの二重遮蔽比較多施設共同試験.あたらしい眼科 23(別巻):95-110,2006
6)中山 淳・山本ひかる・早川昌弘:最新の新生児管理.あたらしい眼科 26:441-447,2009
7)Hass J, Larson E, Ross B et al:Epidemiology and diagnosis of hospital-acquired conjunctivitis among neonatal intensive care unit patients. Pediatr Infect Dis J 24:586-589, 2005
8)奥山茂美・久保木淳子・桑原創一郎:新生児結膜炎における分離菌の検討.眼紀 41:2229-2233,1990
の薬剤耐性化状況の全国調査.感染症学雑誌 83:732,2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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