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特集 第64回日本臨床眼科学会講演集(5) 原著
涙道内視鏡で巨大涙石を認めた2例
著者: 吉田祥子1 廣瀬美央1
所属機関: 1静岡市立静岡病院眼科
ページ範囲:P.1065 - P.1068
文献購入ページに移動要約 目的:涙道内視鏡で巨大な涙石が発見された2症例の報告。症例:症例は38歳と54歳の男性で,2年前から片側性の流涙と眼脂があった。所見:涙囊部に圧痛があり,通水試験で膿性貯留物が逆流した。涙道内視鏡で2症例とも涙石があり,鼻外法による涙囊鼻腔吻合術を行った。涙石の大きさはそれぞれ25mmと32mmで,1例には緑膿菌,他の1例には大腸菌が検出された。両症例とも術後の再発はない。結論:涙道内視鏡により,涙囊と鼻涙管の内部が観察でき,涙石を発見することができた。
参考文献
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