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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科65巻8号

2011年08月発行

文献概要

特集 第64回日本臨床眼科学会講演集(6) 原著

白内障術後に不満を訴えた眼瞼けいれんの5例

著者: 髙木美昭1 小谷博和1 黒住浩一1 峯克彰1 奥田隆章2

所属機関: 1吉田病院眼科 2奥田眼科

ページ範囲:P.1331 - P.1335

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要約 目的:両眼に白内障手術を受けたあとに強い不満を訴え,その原因が眼瞼けいれんであった5症例の報告。症例:過去18か月間に両眼への白内障手術を224例に行った。術後の屈折と視力が良好で,ほかに疾患がない148症例中,12例が強い不満を訴えた。結果:12例中5例で,当初はドライアイが原因として疑われ,ドライアイに対する治療を行った。男性2例,女性3例で,年齢は67~78歳(平均74歳)であった。A型ボツリヌス毒素による治療が奏効し,白内障手術から平均8.8か月後に眼瞼けいれんが不満の原因であると判明した。結論:白内障手術後に不満を訴える場合には,眼瞼けいれんが原因である可能性がある。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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