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後世派の起源,李東垣
今回は李東垣(1180-1251)の『内外傷弁惑論』を取り上げる。わが国では,江戸時代に至って後世派と称する医家の集団ができるが,その源となるのはこの李東垣と朱丹渓のいわゆる「李朱医学」である。服部敏良『室町安土桃山時代医学史の研究』(参考文献1)第5章には「当代医学の概況」として,次のように述べられている。
「従来の医学は,ただ症状を知り,これに適合する治方を挙げると言うきわめて単純な局方医学に依存し,医師自らが経験し,勘案して治療するごときことはほとんどみられなかった。
今回は李東垣(1180-1251)の『内外傷弁惑論』を取り上げる。わが国では,江戸時代に至って後世派と称する医家の集団ができるが,その源となるのはこの李東垣と朱丹渓のいわゆる「李朱医学」である。服部敏良『室町安土桃山時代医学史の研究』(参考文献1)第5章には「当代医学の概況」として,次のように述べられている。
「従来の医学は,ただ症状を知り,これに適合する治方を挙げると言うきわめて単純な局方医学に依存し,医師自らが経験し,勘案して治療するごときことはほとんどみられなかった。
参考文献
1)服部敏良:室町安土桃山時代医学史の研究.吉川弘文館,1971
2)岡西為人:中国醫書本草考.井上書店,1974
3)北里研究所附属東洋医学総合研究所:矢数道明先生退任記念 東洋医学論集.医聖社,1986
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