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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科65巻9号

2011年09月発行

文献概要

特集 第64回日本臨床眼科学会講演集(7) 原著

上転障害以外に眼所見が乏しかった甲状腺眼症の2例

著者: 伊藤友香1 西田保裕1 村木早苗1 柿木雅志1 大路正人1

所属機関: 1滋賀医科大学眼科学講座

ページ範囲:P.1425 - P.1429

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要約 目的:上転障害を主な眼症状とする甲状腺眼症の2症例の報告。症例と所見:それぞれ65歳と67歳男性で,1例には1か月前から複視があり,左眼上転障害のみがあった。眼窩の磁気共鳴画像検査(MRI)で下直筋と内直筋の腫大があり,甲状腺眼症と診断された。他の1例は4年前に他医で右眼の動眼神経麻痺と診断されていた。右眼の上転障害のみがあり,MRIで右下直筋の腫大があり,甲状腺眼症と診断された。結論:甲状腺眼症には眼球運動障害が主症状である症例がある。眼球運動障害の原因精査では,MRIを含む眼窩の画像診断が重要である。

参考文献

1)三村 治:甲状腺眼症.日眼会誌 113:1015-1030,2009
2)村上陽子・金本尚志・坪井俊一・他:甲状腺眼症における外眼筋肥大の評価.日眼会誌 104:34-38,2000
3)木村亜紀子:甲状腺眼症の画像診断.眼臨紀 2:33-38,2009
4)前田利根:甲状腺眼症とMRI.神経眼科 22:490-498,2005
5)Gerlach M, Ferbert A:Pure eye muscle involvement in endocrine orbitopathy. Eur Neurol 60:67-72, 2008
6)妹尾憲一・桐淵利次・丸尾敏夫:眼筋麻痺の統計.臨眼 37:817-820,1983
7)Kobashi R, Ohtsuki H, Hasebe S:Clinical studies of ocular motility disturbances. Part 1. Ocular motility disturbances:causes and incidence. Jpn J Ophthalmol 40:502-510, 1996
8)Bartley GB, Fatourechi V, Kadrmas EF et al:Clinical features of Graves' ophthalmopathy in an incidence cohort. Am J Ophthalmol 121:284-290, 1996
9)古河雅也・木村亜紀子・和中幸生・他:甲状腺眼症における上方眼圧の変化.眼紀 54:187-191,2003
10)荻原正博:眼瞼,斜視―甲状腺眼症に対する手術適応とタイミング.臨眼 60(増):280-286,2006
11)木村亜紀子・三村 治:斜視―手術に踏み切るタイミングと術式の選択.臨眼 60(増):275-279,2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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