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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科65巻9号

2011年09月発行

文献概要

特集 第64回日本臨床眼科学会講演集(7) 原著

15年間のVogt-小柳-原田病の検討

著者: 井上留美子1 田口千香子1 河原澄枝1 山川良治1

所属機関: 1久留米大学医学部眼科学講座

ページ範囲:P.1431 - P.1434

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要約 目的:過去15年間の原田病自験例の報告。対象と方法:2009年までの15年間に初期治療を行った原田病117例を対象とした。男性42例,女性75例で,年齢は15~76歳(平均45歳)である。結果:初期治療として,ステロイド大量漸減療法を55例,ステロイドパルス療法を53例,ステロイド点眼を7例,ステロイド内服を2例に行った。再発と再燃は33例にあり,うち22例が遷延化した。最終視力0.5以下は18眼にあり,再発,再燃または遷延例に多かった。複数回の再発または再燃と夕焼け眼底は,ステロイド大量漸減療法を行った症例に多かった。結論:再発,再燃または遷延化した原田病では,最終視力が不良になる可能性が高い。複数回の再発または再燃と夕焼け眼底は,ステロイドパルス療法よりもステロイド大量漸減療法を行った症例に多かった。

参考文献

1)望月 學:Vogt-小柳-原田病.日眼会誌 111:359-366,2007
2)三村康男・浅井 香・湯浅武之助・他:原田病の診断と治療.眼紀 35:1900-1909,1984
3)辻野奈緒子・小竹聡・笹本洋一・他:遷延型原田病に関する検討.臨眼 52:551-553,1998
4)北明大洲・寺山亜希子・南場研一・他:Vogt-小柳-原田病新鮮例に対するステロイド大量療法とパルス療法の比較.臨眼 58:369-372,2004
5)島 千春・春田亘史・西信良嗣・他:ステロイドパルス療法を行った原田病患者の治療成績の検討.あたらしい眼科 25:851-854,2008
6)稲用和也・藤野雄次郎:原田病の治療.眼科 43:1307-1317,2001
7)正木究岳・高島保之・奥平晃久:ステロイドパルス療法でも再発を繰り返した原田病.臨眼 61:797-800,2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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