臨床眼科65巻9号

2011年09月発行

特集 第64回日本臨床眼科学会講演集（7）

原著

再発翼状片に対する初回手術の影響

著者： 髙山徹也¹ 佐々木香る¹ 宇野毅² 出田隆一¹ 真島行彦³

所属機関： ¹出田眼科病院 ²宇野眼科医院 ³慶應義塾大学医学部眼科学教室

ページ範囲：P.1435 - P.1440

文献概要

要約　目的：再発翼状片の初回手術による影響の検討。対象と方法：再発翼状片28例29眼（21眼は再手術施行）を対象とし，初回術式と再発部位，再発までの日数，ステロイド点眼の種類と期間を検討した。再手術症例では術式，直筋を巻き込む血管線維性組織による高度癒着の有無，ステロイド点眼の種類と期間・ステロイド内服，再再発につき検討した。結果：再発はすべて結膜弁辺縁から開始しており，再発まで平均3.7か月，初回術後デキサメタゾンないしベタメタゾン点眼期間は平均1.8か月であった。再手術21眼中17眼に直筋を巻き込む血管線維性組織による高度癒着があった。結論：翼状片初回手術は直筋周囲への侵襲の回避，術後の十分な消炎，結膜弁辺縁に注意した経過観察が再発予防に重要である。

参考文献

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