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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科65巻9号

2011年09月発行

文献概要

特集 第64回日本臨床眼科学会講演集(7) 原著

眼球破裂眼の術後視力に対する術前因子の重回帰分析

著者: 西出忠之1 早川夏貴1 加藤徹朗1 野村英一1 安原美紗子1 安藤澄1 上本理世1 水木信久1

所属機関: 1横浜市立大学大学院医学研究科眼科学視覚病態学教室

ページ範囲:P.1455 - P.1458

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要約 目的:眼球破裂後の術後視力に関連する術前の諸因子を解析した報告。対象と方法:過去5年間に眼球破裂で受診した26例26眼を検索した。男性14例,女性12例で,年齢は30~93歳(平均68歳)である。平均年齢は男性よりも女性が17歳高かった。外傷の原因は転倒50%,打撲35%などであった。初診時視力は,光覚なし5眼,光覚弁11眼,手動弁8眼,指数弁以上2眼であった。年齢,創傷範囲,術前視力,手術回数,前房出血,硝子体出血,網膜剝離,脈絡膜下出血を目的変数とし,重回帰分析を行った。結果:術前の網膜剝離の程度のみが術後視力と有意に相関した。結論:眼球破裂では,術前の網膜剝離の程度から術後視力を予測することができる。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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