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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科65巻9号

2011年09月発行

文献概要

特集 第64回日本臨床眼科学会講演集(7) 原著

血管内治療で改善した頸動脈海綿静脈洞瘻の2例

著者: 権田恭広1 飯田裕太郎2 杤久保哲男1

所属機関: 1東邦大学医学部眼科学第1講座 2南相馬市立小高病院眼科

ページ範囲:P.1483 - P.1487

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要約 目的:血管内治療が奏効した頸動脈海綿静脈洞瘻の2症例の報告。症例:それぞれ69歳男性と85歳女性で,片眼の結膜浮腫と著明な血管蛇行があり,眼球運動障害と眼圧上昇があった。1例には1か月前,他の1例には4日前に眼症状が生じた。両症例とも脳血管造影で頸動脈海綿静脈洞瘻と診断され,カテーテルによる血管内治療で眼症状が軽快した。結論:頸動脈海綿静脈洞瘻にはカテーテルによる血管内治療が奏効する。その診断では,眼症状から脳血管障害を疑うことが重要である。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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