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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科65巻9号

2011年09月発行

文献概要

特集 第64回日本臨床眼科学会講演集(7) 原著

急性涙囊炎により自然寛解した涙囊ヘルニア

著者: 松本直1 権田恭広1 杤久保哲男1 枝松秀雄2

所属機関: 1東邦大学医療センター大森病院眼科学教室 2東邦大学医療センター大森病院耳鼻咽喉科学教室

ページ範囲:P.1501 - P.1504

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要約 目的:急性涙囊炎を契機として先天性涙囊ヘルニアが自然寛解した3症例の報告。症例:それぞれ生後4日,10日,24日の女児が片側性の涙囊部腫脹で受診した。いずれも妊娠と分娩の経過に問題はなかった。諸検査の結果,先天性涙囊ヘルニアと診断した。それぞれ5日後,9日後,18日後に涙囊部の発赤腫脹などの急性涙囊炎の症状が出現し,それに伴って先天性涙囊ヘルニアが自然寛解した。以後,再発はない。結論:急性涙囊炎が発症した結果として囊腫の内圧が上昇し,鼻腔に破囊して自然寛解したと推定される。

参考文献

1)毎原敏郎・奥村光祥・百井 亨・他:先天性涙囊ヘルニア.周産期医学 33:1054-1055,2003
2)武川 力・櫻井 敦・梶田 智:自然治癒した先天性涙囊ヘルニアの1例.形成外科 52:839-843,2009
3)Mansour AM, Cheng KP, Mumma JV:Congenital dacryocele. A collaborative review. Ophthalmology 98:1744-1751, 1991
4)Roy D, Guevara N, Santini J et al:Endoscopic marsupialization of congenitial nasolacrimal ductcyst with dacrycoele. Clin Otolaryngol Allied Sci 27:167-170, 2002
5)栗橋克昭:眼科診療ガイド.54-56,文光堂,2004
6)栗橋克昭:主訴から見た疾患の鑑別と治療.流涙.眼科プラクティス編集委員会(編):眼科当直医・救急ガイド.249-251,文光堂,2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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