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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科66巻1号

2012年01月発行

書評

インターネット時代の専門書 Therapy for ocular angiogenesis:Principals and Practice フリーアクセス

著者: 坂本泰二1

所属機関: 1鹿児島大学・眼科

ページ範囲:P.72 - P.73

文献概要

 数年前の臨床眼科学会総会の特別講演でDoheny眼研究所のRyan教授が,「今は,基礎医学の成果がついに臨床医学の果実を生むに至ったゴールデンエイジにあるといえる」と述べた。これは,基礎研究,臨床応用,産業化,さらには米連邦政府によるレギュレーションなど,過去40年にわたりこの問題に第一線でかかわってきたRyan教授ならではの言葉であり,正鵠を得たものである。ゴールデンエイジに関しては,腫瘍学,外科学など多くの医学領域についても当てはまることであるが,眼科領域は特にそれがいえる。そして,その中心が眼内血管新生ocular angiogenesisである。Angiogenesisは,故Folkman教授が提唱した現象であり,主に腫瘍増殖にかかわるものとして研究された。眼科領域では,糖尿病網膜症などの発症にかかわる因子としてfactor Xが予言されたが,研究の結果,腫瘍血管新生因子と眼内血管増殖因子(factor X)は重なり合うことがわかり,眼内血管新生研究は大いに発展した。そして,血管内皮増殖因子(VEGF)が主要分子であることが解明され,現在の抗VEGF療法の隆盛につながっている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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