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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科66巻1号

2012年01月発行

文献概要

臨床報告

重度の視神経炎のみを呈した視神経脊髄炎spectrum disorderの1例

著者: 豊田千純子1 澤田亮一1 余郷麻希子1 岡尚省1 持尾聰一郎1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学附属第三病院神経内科

ページ範囲:P.75 - P.77

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要約 目的:重篤な視神経炎のみを呈し,抗アポクリン4抗体が陽性で,neuromyelitis optica spectrum disorderが疑われた症例の報告。症例:抗アポクリン4抗体が陽性である43歳女性が精査のため受診した。16か月前に頭部の打撲後に左眼視力が低下し,左視神経炎と診断された。プレドニゾロン全身投与で4か月後に視力は0.01から1.0に回復した。3か月前に右眼が見えにくくなり,右視神経炎と診断された。右眼に乳頭浮腫と外下方1/4盲があった。所見:右眼に光覚がなく,乳頭が蒼白であった。左眼の眼底と視野に異常はなかった。MRIで右視神経に軽度の腫脹があった。単純血漿交換と二重膜濾過血漿交換を行ったが視力は回復しなかった。結論:視神経のみがあっても,抗アポクリン抗体が陽性のときにはneuromyelitis optica spectrum disorderの可能性を考えて対処すべきである。

参考文献

1)Wingerchuk DM, Lennon VA, Lucchinetti CF et al:The spectrum of neuromyelitis optica. Lancet Neurol 6:805-815, 2007
2)田中恵子・田中正美:NMO spectrum disordersと膠原病/悪性腫瘍/感染症.Brain Nerve 62:953-960,2010
3)Matiello M, Lennon VA, Jacob A et al:NMO-IgG predicts the outcome of recurrent optic neuritis. Neurology 70:197-200, 2008
4)中尾雄三:MS/NMOと視神経炎の新しい展開.Neuroimmunology 17:177-184,2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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