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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科66巻10号

2012年10月発行

文献概要

特集 第65回日本臨床眼科学会講演集(8) 原著

少年野球選手の視力と動体視力と屈折度数について

著者: 枝川宏123 望月誠子1 松原正男23

所属機関: 1えだがわ眼科クリニック 2東京女子医科大学東医療センター眼科 3国立スポーツ科学センター

ページ範囲:P.1503 - P.1508

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要約 目的:少年野球選手の視機能の報告。対象と方法:野球塾に通う8~15歳の29人を対象とした。男子27人,女子2人で,有意な平均年齢は13.2歳である。競技中の状態で,静止視力,動体視力,屈折,眼位,眼球運動,輻湊を測定した。結果:全員が眼位は正位で,眼球運動と輻湊は正常であった。静止視力は58眼中52眼(90%)が1.0以上で,両眼視力は29人中28人(97%)が1.0以上であった。動体視力については視力1.0以上の者では単眼で37.9%であり,0.6と0.8が多かった。両眼では20.7%であり,0.9が多かった。静止視力と動体視力との間には有意な相関があった。静止視力と動体視力は,いずれも年齢と相関しなかった。静止視力は球面度数と相関があり,動体視力と屈折との相関はなかった。結論:少年野球選手のほとんどに屈折異常があるが,多くは矯正されたよい視力で競技をしている。静止視力と動体視力との間には有意な相関がある。

参考文献

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3)渥美一成:動体視力,夜間視力.眼科手術 5:279-284,1992
4)枝川 宏・遠藤文夫:スポーツ選手における動体視力.あたらしい眼科 12:141-143,1995
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12)望月誠子・枝川 宏・蓮池正弘:スポーツ選手における動体視力と屈折の検討.日本視能訓練士協会誌 26:137-143,1998
13)川守田拓志・魚里 博・半田知也・他:動体視力における屈折矯正状態と高次波面収差の影響.臨眼 62:739-742,2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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