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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科66巻10号

2012年10月発行

文献概要

臨床報告

線維柱帯切除術後の上脈絡膜出血にシリコーンオイルタンポナーデが奏効した2例

著者: 中崎徳子1 原田陽介2 戸田良太郎2 望月英毅2 木内良明2

所属機関: 1吉島病院眼科 2広島大学大学院医歯薬学総合研究科視覚病態学

ページ範囲:P.1537 - P.1542

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要約 目的:線維柱帯切除術後に発症した上脈絡膜出血に強膜切開を行い,血塊を除去したが再発し,シリコーンオイルタンポナーデで治癒した2症例の報告。症例:2症例とも男性で,年齢は66歳と79歳である。1例は先天白内障で乳児期に手術を受け,他の1例はペースメーカを使用中で抗凝固薬を内服していた。両症例とも線維柱帯切除術を受け,1例では翌日,他の1例では9日後の上脈絡膜出血に対して強膜切開が行われた。いずれも上脈絡膜出血が再発し,硝子体手術とシリコーンオイルタンポナーデで出血が吸収された。結論:線維柱帯切除術後に発症した上脈絡膜出血には,強膜切開による出血除去が無効であるときには,硝子体手術とシリコーンオイルタンポナーデが奏効することがある。

参考文献

1)柴 友明・中原正彰・宮井尊史・他:眼内レンズの毛様溝縫着術後に上脈絡膜出血を生じた2例.臨眼 58:2135-2140,2004
2)春山 洋・今井雅仁・飯島裕幸:硝子体切除術眼に対する眼内レンズ二次挿入時に生じた駆逐性出血.臨眼 56:1383-1386,2002
3)木内良明・中江一人・堀 裕一・他:線維柱帯切除術の1週間後に上脈絡膜出血を起こした1例.臨眼 53:1031-1034,1999
4)大渕信隆・吉澤豊久・斎藤暢子・他:硝子体手術中に駆逐性上脈絡膜出血を発症した1例.眼科手術 9:569-572,1996
5)Vinod L, Stanley SS, Michael JE et al:A new modified vitreoretinal surgical approach in the management of massive suprachoroidal hemorrhage. Ophthalmolgy 96:793-800, 1989
6)桑田満喜・松原 孝・前西尚子・他:眼内レンズ縫着後に駆逐性出血を生じた2症例.眼臨紀 1:13-17,2008
7)星  太・櫻井真彦・佐谷 充・他:上脈絡膜出血を繰り返し生じ網膜の復位に難渋した1症例.眼臨 100:877-881,2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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