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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科66巻10号

2012年10月発行

文献概要

臨床報告

マイラゲル®が結膜穿破をきたした1例

著者: 福田宏美1 森秀夫1

所属機関: 1大阪市立総合医療センター眼科

ページ範囲:P.1543 - P.1545

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要約 目的:網膜剝離に対する強膜陥凹術で用いられたマイラゲル®が上直筋を断裂して結膜を穿破し,眼表面に脱出した症例の報告。症例:76歳男性が右眼表面の異物で紹介され受診した。19年前に右眼に網膜剝離手術を受け,その直後から上転障害があった。2年前に右上眼瞼に腫脹があり,マイラゲル®が移動してきたことが原因と考えられた。所見:矯正視力は右0.1,左1.2で,右眼は下転していた。瞼裂に亀裂し石灰化したマイラゲル®が露出していた。CT画像での直径は10mmであった。マイラゲル®の除去手術中の所見として,上直筋は確認できなかった。手術のあと右眼の第1眼位は改善し,複視は減少した。結論:マイラゲル®などが眼外に脱出した際には,その早期除去が望ましい。

参考文献

(マイラゲル)を使用した強膜内陥術術後長期に発症する合併症および治療方法の検討.眼臨紀 3:1241-1244,2010
2)樋田哲夫・忍足和浩:マイラゲルを用いた強膜バックリング術後長期の合併症について.日眼会誌 107:71-75,2008
3)Maguir AM, Zabin MA, Eliott D:Migration of solid silicone encircling element through four rectus muscles. Ophthalmic Surg 24:604-607, 1993
4)Lopenz MA, Meteo C, Corcostegui I et al:Transmuscular migration and straddling of the cornea by an encircling buckle. Ophthalmic Surg 38:402-403, 2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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