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雑誌目次

雑誌文献

臨床眼科66巻12号

2012年11月発行

雑誌目次

特集 災害,震災時の眼科医療

東日本大震災における岩手被災地での取り組み

著者: 髙橋和博

ページ範囲:P.1585 - P.1591

はじめに

 その日は金曜日で,多くの患者さんが診療所を訪れていた。3月とはいえ肌寒い日で,午後から小雪がちらつくという予報が出ていたことを覚えている。午後の診療を開始して間もなく,聞いたこともない警報音が鳴りだした。診療中にはマナーモードにしているはずの携帯電話からの音だと気がついて,画面を見ると,「緊急地震速報」という文字が目に飛び込んできた。「これは何だ?」と思ったその瞬間,「ごぉー」という地鳴りのような音と同時に,突然激しい横揺れが襲ってきた。

 岩手県の太平洋に面した海岸線は「三陸海岸」と呼ばれる独特の入り組んだ地形が特徴であり,平坦な土地は限られ,例外なく太平洋に流れ込む河川の開口部にほとんどすべての都市機能や住居が密集している。また,奥に行くほど広くなる湾の形は,外洋の荒波から湾内を守るリアス式海岸という景勝地であるとともに,そこに住む人々に豊かな自然の恵みをもたらしてきた。

 2011年3月11日午後2時46分,三陸沖を震源とするマグニチュード9.0の巨大地震がこの地を襲った。そして,その約30分後には,最大波頭16mにも及ぶ大津波が押し寄せ,一瞬のうちにすべてを飲み込んだ。この震災で,岩手県内では4,700人余の方々が亡くなり,1,300人以上の方々の行方がいまだに不明のままである。加えて,この地域はもともと人口あたりの医師数が極端に少ない医療過疎地域であり,眼科も例外ではなく,津波による眼科診療所への影響は,同時にこの地域の眼科医療の崩壊を意味する。岩手県眼科医会と岩手医科大学眼科学講座は一致協力して直ちに災害対策部を立ち上げ,被災地への災害対応を試みた。しかし,被災地における情報はおろか,災害時における対応や,被災地への支援方法についての知識は皆無であったばかりか,被災地が県央部から約120km離れた遠隔地であるという地理的条件も加わって(図1),その対応や支援は困難であった。われわれが試行錯誤の末行った被災地への支援を以下に記録し,これを検証することで有事の際の対応への提言としていただければ幸甚である。

宮城県における眼科医療

著者: 高橋秀肇 ,   中澤徹

ページ範囲:P.1592 - P.1598

はじめに

 東日本大震災が発生してから約1年半が経過した。各方面からの応援医師との協力,医薬品だけでなく眼鏡・コンタクトレンズ(contact lens:CL)などの迅速な物資提供,Vision Vanの提供などによって被災者に対する医療活動を充実させることができた。今回の震災においても反省し協議するべき対応点は残され,今後起こるであろうとされている災害に対して再考する必要性を感じた。

地震,原発事故と眼科医療

著者: 石龍鉄樹

ページ範囲:P.1600 - P.1604

福島県について

 震災の状況について述べる前に福島県の概要について触れる。福島県は東北地方の南端にあり,北を宮城県,山形県,西を新潟県,南は群馬県,栃木県,茨城県と県境を接し,東は太平洋に面している。県を縦断するように奥羽山脈と阿武隈山脈が平行して走り,新潟県側から会津若松市のある会津地方,福島市・郡山市がある中通り地方,相馬市・南相馬市・いわき市のある浜通り地方に分けられている。人口は福島県全体では約197万人で,内訳は会津地方31万人,中通り地方約115万人,浜通り地方約50万人となっている。医療面では,上に名前を挙げた都市を中心に医療圏を形成している。原発事故のあった双葉町,大熊町(図1)は南北に長い浜通り地方のちょうど中央で,北の相馬地方と南のいわき地方の間にあり,単独に小さな医療圏を形成しており重症疾患は相馬市,いわき市,郡山市,福島市の医療機関と連携をとりながら診療を行っている。

大災害時に効率的に医療を提供するために―眼科医として救援活動に参加して

著者: 上條由美

ページ範囲:P.1606 - P.1612

はじめに

 2011年3月11日(金)14時46分に生じた,三陸沖を震源とする東日本大震災では,地震に引き続いた巨大津波により,東北から関東にかけての東日本一帯に甚大な被害が及び,学校法人昭和大学は東日本大震災に対して,DMAT(Disaster Medical Assistant Team)に引き続いて,独自で編成した医療チームである昭和大学医療救援隊を派遣した1,2)。災害医療では,短時間に限られた医療資源を必要な場所に提供しなければならないため,マネジメントが必要となる。医療マネジメントを専攻している筆者も,本学の救援隊本部として医療チームの編成から派遣までの活動に参加し,眼科医として実際に被災地に赴いて救援活動を行った。早い時期に被災地に入った数少ない眼科医として,自身の知見を今後の災害医療に役立てることが,最大の務めではないかと考えている。今回のこの活動を検証し,大災害時に効率的に医療を提供するための課題,特に,眼科医が自ら被災地に赴く場合,または,被災地に眼科医を派遣する場合の課題について報告する。

放射線障害

著者: 前田利根

ページ範囲:P.1614 - P.1617

はじめに

 水晶体は放射線感受性が高い組織の1つである(表1)。本稿では,眼組織のなかでも特に放射線感受性が高い水晶体障害について概説する。

 放射線障害というとわれわれは急性期障害をしばしば思い浮かべるが,水晶体は高線量であれば1~2年,低線量では何年も経過してから白内障が現れ,晩期障害が問題となる。チェルノブイリ原発事故の除染作業者を被曝から10年以上経過して8,607名調査した結果,対象の9割が眼科検査時に55歳以下であったにもかかわらず,25%に白内障が発見された1)

 昨年の福島第一原発事故を考えるとき,われわれ眼科医は放射線被曝に関係する水晶体研究についていくつか最新情報2)を知っておくべきである。

今月の表紙

フェムトセカンドレーザーを用いたDSAEK術後(iFS使用)

著者: 和田裕靖 ,   寺崎浩子

ページ範囲:P.1619 - P.1619

 症例は70歳,女性。2011年3月に両眼PEA+IOL挿入術を施行後より,左眼の角膜内皮炎水疱性角膜症を発症し,術後早期(0.5)あった視力が,4か月後には(0.1)まで低下した。

 内皮グラフト作製には,フェムトセカンドレーザーを使用したことにより,マイクロケラトームでは難しい薄くて正確な一定の厚みのグラフトを作製することができた。

連載 網膜剝離ファイトクラブ・The Final Round

次世代術者の教育―いま伝えたいこと―その2

著者: 喜多美穂里 ,   木村英也 ,   日下俊次 ,   栗山晶治 ,   斉藤喜博 ,   塚原康友 ,   安原徹

ページ範囲:P.1623 - P.1632

ようこそ,ファイトクラブに!

今回も引き続き,硝子体手術教育について検討したいと思います。黄斑剝離を伴った上方裂孔による胞状網膜剝離,あなたならどのように指導しますか? それはご自身が執刀のときの術式とどう異なっていますか? 一緒に考えてみましょう。

眼科医にもわかる生理活性物質と眼疾患の基本・35

―臨床編:各種眼疾患と生理活性物質とのかかわり―ぶどう膜炎と免疫

著者: 中澤満

ページ範囲:P.1634 - P.1637

はじめに

 リンパ球はT細胞やB細胞に分類されるが,T細胞にはさらにヘルパーT細胞(CD4+T細胞)やサプレッサーT細胞(CD8+T細胞),さらにはナチュラルキラー細胞(NK細胞)などさまざまな機能をもった細胞があることが知られる。前回は,免疫反応にかかわるヘルパーT細胞のうち2型ヘルパーT細胞(Th2)系が活性化される疾患の代表であるアレルギー性結膜炎をみたが,今回は実験動物に人為的に発症させたぶどう膜炎,つまり1型ヘルパーT細胞(Th1)系が主体となるぶどう膜炎について,サイトカインやケモカインを中心とした生理活性物質という切り口から総論的にみてみたい。ぶどう膜炎そのものが多彩な疾患の集合体であるので,すべてのぶどう膜炎にすべからく当てはまるわけではないが,ぶどう膜炎の成り立ちを考えるうえで有用な概念であると思われる。

つけよう! 神経眼科力・32

全身疾患と神経眼科

著者: 中馬秀樹

ページ範囲:P.1638 - P.1647

 神経眼科では,まずどこに病変があるのかを特定することが大切です。その後にそこにどのような病変を生じているのかを特定し,それをもとに治療や管理を行うことになります。その際に,全身疾患の一所見として現れていることがあります。その全身疾患を見逃してはいけません。管理が眼科主体なのか,他科主体になるかという重要な判断の根拠になりますし,全身疾患をなるべく早期に発見することで特定疾患など,患者さんの負担を減らすことにもなります。そのために,全身疾患の特徴も知っておかなければなりません。今回は,両方からアプローチしてみたいと思います。

やさしい目で きびしい目で・155

日々の診療のなかで

著者: 加地まり

ページ範囲:P.1649 - P.1649

 生まれ育った地元で開業して三年になります。私が女医であること,新興住宅地であるということもあってか,子供の患者さんの割合が高いように感じています。

 弱視の患者さんも来られます。「毎日眼鏡をかけてください」「アイパッチをしてください」と,お母さんに指導をします。

臨床報告

眼球後壁の肥厚をきたし視力予後不良であった結核性ぶどう膜炎の1例

著者: 田中理恵 ,   蕪城俊克 ,   高本光子 ,   中原久恵 ,   冲永貴美子 ,   沼賀二郎 ,   辻英貴

ページ範囲:P.1653 - P.1658

要約 目的:視力の経過が不良であった結核性ぶどう膜炎の症例の報告。症例:47歳女性が6週間前からの右眼と眼球後方の疼痛で受診した。旧国籍はフィリピンで,19年前から日本に住んでいる。所見:視力は右手動弁,左1.5で,右眼に毛様充血,前房内炎症,虹彩後癒着,硝子体混濁,網膜静脈の拡張と蛇行,乳頭発赤があり,超音波検査で眼球後壁の肥厚があった。ツベルクリン反応が強陽性で,鎖骨上窩リンパ節の生検で乾酪壊死を伴う類上皮細胞肉芽腫があり,頸部リンパ節結核に伴う汎ぶどう膜炎と診断した。プレドニゾロン内服と抗結核治療を行った。1か月後に網膜電図が無反応となり,牽引性網膜剝離を伴う増殖性硝子体網膜症が生じ,右眼視力は光覚なしとなった。結論:結核はぶどう膜炎の原因の1つであり,早期診断と治療が肝要である。

網膜動脈閉塞症を発症し治療開始されたChurg-Strauss症候群の1例

著者: 吉武信 ,   西村宗作 ,   吉田朋代 ,   箔本潤子 ,   王英泰 ,   松岡俊行 ,   喜多美穂里

ページ範囲:P.1659 - P.1663

要約 背景:Churg-Strauss症候群では,気管支喘息や好酸球増加が先行し,全身性の血管炎が生じる。目的:治療開始前に網膜動脈閉塞症が発症したChurg-Strauss症候群の症例の報告。症例:50歳女性が急激な右眼の視力低下と視野障害で受診した。13年前から喘息,10年前に好酸球性肺炎があり,副腎皮質ステロイドを内服していたが,1年前から中断した。所見:矯正視力は右0.01,左1.5で,右眼の眼底後極部は白色化し,中心窩に桜実紅斑があり,蛍光眼底造影で網膜動脈閉塞症の所見があった。Churg-Strauss症候群と診断し,ステロイドのパルス療法を行った。9週後に白色網膜はなくなり,視力が0.1に回復した。以後2年後の現在まで,病状は安定している。結論:無治療のChurg-Strauss症候群に網膜動脈閉塞症が発症し,治療開始の契機になった。

外傷性白内障が進行しなかった水晶体前囊損傷の1例

著者: 守屋豪志 ,   鈴木浩之 ,   家久來啓吾 ,   佐藤孝樹 ,   石崎英介 ,   植木麻理 ,   池田恒彦

ページ範囲:P.1665 - P.1668

要約 目的:木片の飛入によりやや大きな前囊損傷が生じたが,以後2年3か月間外傷性白内障が進行しなかった症例の報告。症例:47歳男性が木工作業中に木片が飛来して右眼に刺さり,自己抜去し,その1週間後に受診した。7か月前に右眼の特発性黄斑円孔に対し,水晶体を温存する手術を受け,術前0.3,術後0.5の視力を得ていた。所見と経過:矯正視力は右0.5,左1.5で,右眼角膜の下耳側とこれに相当する虹彩に穿孔創,水晶体前囊に長さ3.5mmの混濁があった。角膜創からの房水流出はなかった。以後保存的に処置した。水晶体穿孔部は線維化し,2年3か月後の現在,0.6の矯正視力を維持している。結論:外傷性白内障が進行しなかったのは,水晶体前囊の穿孔創が水晶体上皮細胞の増殖と線維化で閉鎖したことが原因であると推定される。

片眼特発性黄斑円孔症例の不等像視

著者: 鵜飼喜世子 ,   平井淑江 ,   伊藤逸毅 ,   寺崎浩子

ページ範囲:P.1669 - P.1675

要約 目的:片眼性の特発性黄斑円孔がある症例での不等像視と立体視の報告。対象と方法:過去11か月間に受診した片眼性の特発性黄斑円孔24例を対象とした。黄斑円孔はGass分類で第2期または第3期であった。全例に手術が行われ,黄斑円孔は閉鎖した。不等像視はNew Aniseikonia Tests,立体視はTitmus Stereo Testで測定した。結果:黄斑円孔眼には小視症があり,その程度は直径が6°の指標で平均3.83%,12°の指標で2.88%であった。術後には,それぞれ1.33%,1.21%になり,小視症は有意に減少した。術前術後とも,不等像視の程度は12°よりも6°の指標のほうが大きかった。6°の指標による不等像視は,術前後とも立体視とは相関しなかった。12°の指標による不等像視は,術後のみに立体視と相関した。結論:片眼性の特発性黄斑円孔がある症例での不等像視は,術後の立体視に影響することがある。

複視に対するプリズム治療と多様な部分遮蔽法との組み合わせ

著者: 木村理恵 ,   杉谷邦子 ,   坂上敏枝 ,   鈴木利根 ,   青木典子 ,   林麗如 ,   筑田眞

ページ範囲:P.1677 - P.1681

要約 背景:複視の治療では,プリズム装用による光学的治療のみでは不十分なことがある。目的:プリズム装用に加え,部分遮蔽を行った結果の報告。対象と方法:過去67か月間に治療をした複視のある患者80名を対象とした。年齢は28~86歳(平均62歳)である。複視の原因は,上斜筋麻痺16例,外転神経麻痺15例,上下偏位9例,甲状腺眼症4例などである。これら患者にプリズム眼鏡を処方し,複視が残る場合には部分遮蔽を追加した。平均30か月の経過を追った。結果:80例中72例(90%)で複視が消失した。その方法は,プリズム眼鏡の装用53例,これに部分遮蔽の追加7例,部分遮蔽のみの12例である。結論:さまざまな原因による複視に対し,プリズム装用と部分遮蔽を組み合わせることで,90%の症例で光学的な好結果が得られた。

書評

研修医のためのリスクマネジメントの鉄則―日常臨床でトラブルをどう防ぐのか?

著者: 日野原重明

ページ範囲:P.1676 - P.1676

 このたび医学書院から,田中まゆみ先生(大阪市にある北野病院は京都大学医学部の関連病院で,その病院の総合内科部長をなさっている)の『研修医のためのリスクマネジメントの鉄則―日常臨床でトラブルをどう防ぐのか?』というA5判168ページの本が出版された。

 田中まゆみ医師は,京都大学医学部卒業後,京大大学院を出て,ボストンのマサチューセッツ総合病院で研修を受け,さらにボストン大学公衆衛生大学院を修了し,帰国後,聖路加国際病院の総合臨床外来を経て,現在は北野病院総合内科部長として勤務している。

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欧文目次

ページ範囲:P.1583 - P.1583

公益信託須田記念緑内障治療研究奨励基金 平成24年度募集要項

ページ範囲:P.1648 - P.1648

 公益信託須田記念緑内障治療研究奨励基金は,熊本大学において眼科学の指導研究,とくに緑内障の研究・治療に永年尽くされました故須田経宇名誉教授により設立されました。緑内障又はその治療に関する優れた研究を助成する為,下記要項により助成金交付申請を募集いたします。

ことば・ことば・ことば 希土類

ページ範囲:P.1652 - P.1652

 しばらく前に,日本の近くにある大国がレアアースの輸出を制限するという措置をしました。尖閣諸島のことがきっかけだったようです。

 レアアースは「希土類」のことで,ずっと以前からある立派な日本語です。また,rare earthには日本人には発音できないθの音が入っています。この文章では,「希土類」を使うことにします。

べらどんな 痛風

著者:

ページ範囲:P.1658 - P.1658

 どう考えても痛風性結膜炎らしい患者を診た。痛風は整形外科の疾患だと思われているが,むしろ内科の病気であり,ときには眼科も関係する。

 いまから50年前の学生のときには,「日本人は痛風にならない」と教わった。それが最近では急増している。ある専門家は,典型的な関節炎の患者は日本には200万人,もっと広義に考えるとその5倍になると推定している。圧倒的に男性が多く,男性患者は女性の20~50倍だという。

べらどんな 痛風(続)

著者:

ページ範囲:P.1663 - P.1663

 痛風は謎の多い疾患である。とくに分からないのが,最近の日本でこれが急増してきた理由についてである。

 シェイクスピア(1564-1616)の作品にはgout「痛風」が6か所に出てくる。「お気に召すまま」では,「時間が楽しく過ぎていく人は」という謎かけがある。「ラテン語を知らない牧師と痛風がない金持ち」が答である。「ラテン語を知らなければ勉強をする必要がないのでぐっすり眠れる。痛風がないと痛まなないので楽しく暮らせる」というのがその心である。

学会・研究会 ご案内

ページ範囲:P.1683 - P.1686

投稿規定

ページ範囲:P.1688 - P.1689

希望掲載欄

ページ範囲:P.1690 - P.1690

著作権譲渡同意書

ページ範囲:P.1691 - P.1691

アンケート

ページ範囲:P.1692 - P.1692

次号予告

ページ範囲:P.1693 - P.1693

あとがき

著者: 寺崎浩子

ページ範囲:P.1694 - P.1694

 本号が発刊されるころは臨床眼科学会も終わり,今年はどんな1年であったかと考える時期となっていることと思います。本誌では,例年通り原著論文を募集していますので,奮ってご投稿ください。

 さて,1年が経つのは本当に早く(年をとるとともに1年が早くなると聞いたことがあります),あの大震災が起こってからもう2回目の年末を迎えることになります。本号では,特集として「災害,震災時の眼科医療」が掲載されています。この企画では,実際に東北地方において震災時に対応された先生方が,その取り組みについて詳細に報告されています。昨年はこのような報告を冷静に読めない気持ちでしたが,今回はもう少し前向きに今後の対応の教訓として貴重な体験と提言を拝読したいと思います。日常よく出会う白内障とこれまで教科書的にしか考えなかった放射線の影響についてもまとめられています。

基本情報

臨床眼科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1308

印刷版ISSN 0370-5579

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