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雑誌目次

雑誌文献

臨床眼科66巻13号

2012年12月発行

雑誌目次

連載 今月の話題

眼にやさしい眼瞼腫瘍の切除後再建

著者: 柿﨑裕彦

ページ範囲:P.1701 - P.1708

 眼瞼に悪性腫瘍ができた場合,その治療の過程で眼瞼の組織が欠損する。眼表面は知覚的に非常に敏感であり,また眼部の恒常性維持という観点から,術後の「視機能の質」を意識した再建が求められる。眼瞼後葉の再建において「瞼板」をいかに使いこなせるかが,「眼にやさしい眼瞼再建」のカギとなる。

眼科医にもわかる生理活性物質と眼疾患の基本・36【最終回】

―臨床編:各種眼疾患と生理活性物質とのかかわり―強膜炎

著者: 中澤満

ページ範囲:P.1710 - P.1713

はじめに

 強膜炎はわが国におけるぶどう膜炎の約6%を占める比較的頻度の高い疾患であり1),頑固な痛みと充血で患者を悩ませる疾患でもある。多くの場合,ステロイド薬の局所療法では不十分で全身投与が必要となり,かつステロイド漸減に伴って再発することも稀ではない。このような症例ではステロイド投与期間が結果的に長くなってしまうことも経験する。症例によっては他の自己免疫疾患に合併することもある。今回は生理活性物質の視点から強膜炎をみて,その背景にある病態の修飾因子の理解を深めたい。

つけよう! 神経眼科力・33

化学物質過敏症の臨床

著者: 若倉雅登

ページ範囲:P.1714 - P.1718

はじめに

 化学物質過敏症は一般に,中毒量よりもはるかに微量の化学物質への曝露によって,生体に不都合な反応が生じる状態をいう。1980年代からこの病態は米国を中心に提唱され,欧州,日本にも広まった。日本では石川ら1)により,研究と概念の普及が行われ,従来の中毒の概念,免疫異常(アレルギー)よりもさらに微量な化学物質に対する生体反応として位置づけられ(図1),個体差が大きいことが特徴の1つとされた。

 しかし,この症候群には特定の,特異的診断マーカーが存在するわけではなく,診断には主観が入り込む余地が大きいことや,成因が十分解明されていないために,むしろさまざまな考え方が存在している。それを集約的に議論し,問題点を指摘したのはAltenkirch2)であり,それを次に要約してみる。

 ①本症を疑われる症例のうち少数例は,実際に環境中のごく少量のさまざまな化学物質に反応して心身の症状を現す。

 ②症例の別のグループでは,症状が化学物質によって惹起されたとしても,その基盤にある過敏性は心理的ストレス反応による。

 ③最多のグループは,身体もしくは精神疾患が見過ごされた結果として,誤診されたものである。

 ④残りのグループは,化学物質への曝露は全く証明されないのに,一部の医師,マスコミ,ある種の団体などの信念体系が導入されてそのように診断されたものである。

 これは,非常にバランスのとれた意見であり,化学物質過敏症を考察するうえで,念頭に置くべき考え方と思われる。

 真の化学物質過敏症は,上記の①であり,広く取れば②も含まれる。本稿では,①,②を取り上げる。論理的記述をしようとすれば,①,②は分けるのが妥当だが,臨床上区別は難しい。

 さて,化学物質過敏症による症状は生体のどの組織,臓器に生じてもよい。なかでも眼および視覚系は,愁訴,症状が表れやすい部位であり,かつ眼球運動系,調節系など多シナプスを介した中枢システムが反映されるところであるため,サブクリニカルな異常所見を検出しやすい。さらに,本症は心身医学的観点から考察することが求められる(図2)3)。ゆえに,「神経眼科」の1項目として取り上げる妥当性は高く,すべての眼科医の常識,もしくは素養としてこうした領域に関心をもつことが大切と考える。

今月の表紙

増殖性糖尿病網膜症に伴う線維血管増殖膜(200°画角)

著者: 高田雄介 ,   鈴木康之

ページ範囲:P.1721 - P.1721

 54歳,男性。2002年に糖尿病網膜症と診断され,その後受診を自己中断した。2004年より治療を再開し,2007年に汎網膜光凝固術を施行された。翌年以降は受診しないまま2011年に牽引性網膜剝離を指摘され,当院に紹介され受診した。初診時の視力は(0.1)で,進行した増殖性糖尿病網膜症に線維血管増殖膜を伴い,牽引性網膜剝離は黄斑部に達していた。血液検査ではHbA1c 7.3とコントロールはやや不良であった。

 撮影はOPTOS社製200Txを使用した。このカメラは撮影画角が200°と広いため,睫毛の影が撮影画像周辺部に写り込みやすく,一般的に使用されている50°画角の撮影時の開瞼状態では不十分なことがあるため,しっかりと開瞼することが大切である。本症例の撮影時の注意点としては,眼底と増殖膜とで適度な撮影光量が異なるという点である。眼底を強調すると増殖膜がハレーションを起こし,逆に増殖膜を強調すると全体的に暗い画像となってしまう。画像全体の情報量も多いため,明るさなど全体のバランスを考えながら撮影した。

書評

ボツリヌス療法アトラス

著者: 木村彰男

ページ範囲:P.1722 - P.1722

 ボツリヌス菌が産生するボツリヌス毒素は,神経筋接合部でアセチルコリンの放出を妨げる働きをもつ。一般にボツリヌス毒素の作用は末梢性に限られるとされており,筋弛緩,鎮痛作用に効果のあることが確認されている。そのため,近年では各種疾患の治療に用いられるようになり,多方面から注目を集めている。

 日本国内においてはA型ボツリヌス毒素製剤ボトックス®が注射剤として承認されており,1996年に眼瞼痙攣,2000年に片側顔面痙攣,2001年に痙性斜頸,2009年に2歳以上の小児脳性麻痺患者における下肢痙縮に伴う尖足へと徐々にその適応が拡大され,2010年に上肢痙縮・下肢痙縮への適応承認へと至る経過をたどっている。リハビリテーション医学・医療の分野では上肢痙縮・下肢痙縮に対するボツリヌス毒素の適応が拡大されたことにより,特に脳卒中患者の後遺症に対する治療として急速に広まりつつある。ただ,どの筋を目的に,どのくらいの用量を使用するかに関してはまだ基準がなく,臨床経験の積み重ねにより標準化されてゆくことが期待されている状況である。

研修医のためのリスクマネジメントの鉄則―日常臨床でトラブルをどう防ぐのか?

著者: 邉見公雄

ページ範囲:P.1782 - P.1782

 このたび医学書院より『研修医のためのリスクマネジメントの鉄則―日常臨床でトラブルをどう防ぐのか?』が出版された。著者の田中まゆみ氏とは数回しかお会いしていない。いずれも研修医を対象とした研修会においてであったと記憶している。

 その研修会ではピカピカの研修医に対し,医療界のガイダンスやオリエンテーションをはじめ,医師としての基本的な姿勢,「今日からは学生ではなくプロフェッショナルな“ドクター”ですよ」と“刷り込み”的な講義が2日間続いた。この第1日目の講師に田中氏と私が前になったり後になったりして講演したのである。この研修会では,残念ながら先日亡くなられたNPO法人COMLの辻本好子さんも患者の立場から講演され,大変好評であった。田中氏については「どこかの看護系大学の教授かな」と思っていたが経歴を見てびっくり。大学の後輩ではないか。われわれ紛争世代が今もって悔やみ,コンプレックスを抱いている海外留学の経験もあるではないか。

やさしい目で きびしい目で・156

をかしきもの―「顔」篇

著者: 松本治恵

ページ範囲:P.1723 - P.1723

 四十路に差し掛かり,自分の顔を意識するようになった。アンチエイジング,だけではない。「院長」としての顔である。

 7年前,生まれ故郷に小さなクリニックを開院した。四国,徳島県の僻地「阿波町」に。卒業も入局も九州の大分大学出身の私にとっては,孤立無縁のスタートであった。そして,なんと徳島県は日本で第2位の医師過密地帯である(人口の割に医師数が多い)。そのうえ田舎は閉鎖的で新規開業に厳しく,さらに男尊女卑の考えが根強かった。

臨床報告

眼窩カラードプラ所見と網膜中心動脈圧との関連

著者: 西川憲清 ,   竹中久 ,   眞野富也 ,   有田勝 ,   北出和史 ,   高岡源 ,   繪野亜矢子 ,   山田知之 ,   田野良太郎

ページ範囲:P.1745 - P.1750

要約 目的:眼窩カラードプラ所見と網膜中心動脈圧との関連の報告。対象と方法:黒内障発作や眼虚血が疑われた30例60眼を対象とした。男性25例,女性5例で,年齢は46~85歳である。眼窩カラードプラ所見と網膜中心動脈圧を測定した。結果:眼動脈流速と網膜中心動脈圧,網脈中心動脈速度と網膜中心動脈圧には,有意の相関がなかった。眼動脈の逆流速度が14.9cm/秒以上,または網膜中心動脈速度が5.4cm/秒以下で網膜中心動脈圧が55mmHg以下のときに,眼虚血症候群があった。結論:網膜中心動脈圧と眼窩カラードプラ所見とは関連が乏しい。網膜中心動脈圧が55mmHg以下のときに,眼虚血症候群が発症しやすい。

内因性細菌性眼内炎の4例

著者: 中島富美子 ,   川島秀俊 ,   小畑亮 ,   藤代貴志 ,   小島孚允

ページ範囲:P.1751 - P.1756

要約 背景:細菌性内因性眼内炎は疾患に特異的な臨床所見に乏しく,初期には非細菌性ぶどう膜炎に類似するため,診断が難しい。目的:細菌性内因性眼内炎の4症例の報告。症例:症例はそれぞれ58,64,80,95歳で,1例が両眼性,3例が片眼性であった。原因疾患は,緑膿菌による肺炎,肺炎桿菌による腎膿瘍(両眼性),黄色ブドウ球菌による腎膿瘍,ブドウ球菌による尿路感染症の各1例であった。3例では眼科受診時に白血球増加があり,全例で全身のCTが診断確定に有用であった。5眼中2眼では硝子体手術により消炎し,3眼では眼球摘出に至った。結論:ぶどう膜炎では,感染症を示唆する前駆症状や,免疫能低下につながる基礎疾患があるときには,細菌性内因性眼内炎の可能性があり,早期診断と治療が望まれる。

家族性滲出性硝子体網膜症に続発した網膜上膜に対し硝子体手術を施行した1例

著者: 森山侑子 ,   佐藤孝樹 ,   家久来啓吾 ,   鈴木浩之 ,   石崎英介 ,   植木麻理 ,   池田恒彦

ページ範囲:P.1757 - P.1760

要約 目的:家族性滲出性硝子体網膜症(FEVR)に続発した網膜上膜に対して硝子体手術を行った症例の報告。症例:36歳女性が視力低下で受診した。右眼は幼少時に鎌状網膜剝離で失明し,左眼はFEVRと網膜上膜として近医で経過観察中であった。父親に網膜剝離の既往がある。所見と経過:矯正視力は右眼0,左眼0.5で,左眼に-9Dの近視があった。右眼は眼球瘻で,左眼に牽引乳頭,網膜血管の直線化と多分岐,眼底周辺部に広範な無血管野,耳側中間周辺部に網膜上膜があり,FEVRと診断した。網膜上膜が進行し,15か月後に矯正視力が0.15に低下し,硝子体手術により網膜上膜を剝離切除した。経過は良好で,2年後の現在,0.4の視力を維持している。結論:FEVRに続発した網膜上膜に対し,硝子体手術と局部的な網膜上膜の切除が奏効した。

涙小管結膜瘻ののちに自然脱落した涙点プラグ脱出の1例

著者: 林泰博 ,   林福子

ページ範囲:P.1761 - P.1764

要約 目的:涙小管に涙点プラグ挿入を受けたのち,涙小管結膜瘻を通じてプラグが脱落した症例の報告。症例:64歳女性が4年前にドライアイと診断され,2か月前に左眼の下涙点にスーパーイーグルプラグ®の挿入を受け,症状が改善した。その2か月後の受診で,プラグ先端部が瞼結膜側に瘻孔を作って脱出していたので,当科に紹介された。所見:受診時にプラグは脱落していた。結膜囊内と涙小管内にはプラグはなく,瘻孔は自然閉鎖していた。涙点閉鎖術を行い,以後の経過は良好である。結論:スーパーイーグルプラグ®のような段差が強い涙点プラグを挿入したのちには,これが穿孔脱落することがある。

鼻性視神経症との鑑別に苦慮したリネゾリドによる視神経症の1例

著者: 近藤雄司 ,   堅田利彦 ,   望月清文

ページ範囲:P.1765 - P.1770

要約 目的:抗菌薬リネゾリドによると思われる両眼性視神経症の症例の報告。症例:68歳男性が,5か月前からの両眼の視力障害で受診した。糖尿病,関節リウマチ,心筋梗塞の既往があった。所見と経過:矯正視力は右0.3,左0.4で,前眼部,中間透光体,眼底には異常がなかった。副鼻腔炎の所見があり,抗菌薬を投与した。1か月後に視力は左右とも0.05になり,中心暗点が両眼に生じた。既往歴を再聴取し,膝の人工関節置換術後のMRSA感染に対してリネゾリド投与を2年前から受けていたことが判明した。リネゾリド投与を中止し,6週後の視力が左右とも1.5に回復し,中心暗点が消失した。結論:リネゾリドの長期投与で視神経障害が生じることがある。

総涙小管閉塞に対する内視鏡直接穿破法および涙管チューブ挿入術の治療成績

著者: 渡辺一彦 ,   渡辺このみ

ページ範囲:P.1773 - P.1776

要約 目的:総涙小管閉塞に対し,内視鏡下での直接穿破法と涙管チューブ挿入術の短期成績の報告。症例と方法:総涙小管閉塞がある22例27側に内視鏡下での直接穿破法と涙管チューブ挿入術を行った。男性6例,女性16例で,年齢は58~86歳(平均71歳)である。術後の経過は6か月以上観察した。結果:27側中24側(89%)でチューブ挿入ができ,挿入できた症例での手術時間は平均14分であった。チューブ抜去後の涙道開存率は24側中23側(96%)であった。1側では抜去後13か月で鼻涙管閉塞が再発し,同治療を再び行った。結論:総涙小管閉塞に対する内視鏡下での直接穿破法と涙管チューブ挿入術は,短時間で行うことができ,術後成績も良好であった。

カラー臨床報告

眼瞼Kaposi肉腫を契機にHIV感染が発見され免疫再構築症候群をきたした1例

著者: 水野嘉信 ,   八代成子 ,   岡慎一

ページ範囲:P.1727 - P.1731

要約 目的:眼瞼Kaposi肉腫を契機にヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染が発見され,抗癌化学療法で改善したのち,免疫再構築症候群が生じた症例の報告。症例と経過:39歳男性が左眼瞼腫脹で受診した。精査によりKaposi肉腫と診断し,HIV感染であることが判明した。抗癌化学療法で眼瞼腫脹は軽快したが,多剤併用療法の開始後に眼瞼腫脹が再燃した。免疫再構築症候群と診断し,抗癌化学療法を再開して寛解が得られた。結論:本症例は,難治性の眼瞼周囲の皮疹がKaposi肉腫であり,多剤併用療法の開始後に免疫再構築症候群が生じうることを示している。

治療的角膜移植に至った真菌性角膜炎4例の組織所見と臨床所見の対比

著者: 加賀谷文絵 ,   佐々木香る ,   子島良平 ,   石川章夫 ,   刑部安弘 ,   丸山葉子 ,   宮田和典

ページ範囲:P.1733 - P.1739

要約 目的:角膜移植を受けた真菌性角膜炎4例の臨床と病理所見の報告。症例:真菌性角膜炎4例4眼を対象とした。男女各2例で,年齢は52~86歳(平均74歳)である。全例に治療的角膜移植を行い,摘出した角膜片の病理所見と臨床所見とを対比した。結果:分離された菌は4例とも糸状菌で,Fusarium solani 2例,Beauveria bassiana 1例,菌種不明1例であった。臨床所見との対比で以下の所見があった。炎症が高度でも活動性の高い真菌が存在しないことがあった。角膜内に真菌がある場合には眼表面と前房側から炎症細胞が浸潤していた。角膜穿孔例では穿孔部を線維素性物質や炎症細胞が埋め,角膜厚と前房深度を維持していた。結論:真菌性角膜炎では,病理所見は必ずしも臨床所見を反映しない。

抗精神病薬リスペリドン内服患者にみられた術中虹彩緊張低下症候群の3例

著者: 新城光宏 ,   新城智子

ページ範囲:P.1741 - P.1744

要約 目的:抗精神病薬リスペリドンの内服履歴がある症例に白内障手術を行い,術中虹彩緊張低下症候群(intraoperative floppy iris syndrome)が生じた3症例の報告。対象:過去68か月間に当科で白内障手術を行った症例を対象とした。結果:リスペリドン内服の履歴は6例11眼にあり,うち3例5眼(45%)に術中虹彩緊張低下症候群があった。内訳は,男性が2例3眼,女性が1例2眼であった。年齢は,それぞれ69,71,75歳であった。結論:非定型抗精神病薬リスペリドンの内服既往がある症例では,白内障手術の際,術中虹彩緊張低下症候群の原因になりうる。

話題

網膜芽細胞腫の眼球保存療法における全身麻酔下での眼底検査の必要性

著者: 金子明博

ページ範囲:P.1778 - P.1782

はじめに

 網膜芽細胞腫は網膜のあらゆる部分から発生するため1),眼底検査時にくまなく検査する必要がある(図1)。乳幼児であり,検査に協力することが期待できないため,全身麻酔下で検査をすることが望ましい。そのため,海外の網膜芽細胞腫の治療センターでは図2(a~d)に示すように外来で全身麻酔下の検査を施行している。この検査はEUA(examination under anesthesia)と呼ばれている。なぜかわが国では網膜芽細胞腫の治療センターにおいても行われていない。網膜芽細胞腫の専門治療施設でない一般病院では,EUAという概念すら念頭にない。

 そこで,わが国でもその必要性が明らかになった1症例を経験したので,今後同様の症例が医事訴訟となる可能性もあり,注意する必要があると思われるので話題提供する。

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欧文目次

ページ範囲:P.1699 - P.1699

第17回日本網膜色素変性症協会(JRPS)研究助成

ページ範囲:P.1708 - P.1708

 日本網膜色素変性症協会(Japanese Retinitis Pigmentosa Society:JRPS)は,患者,支援者,学術研究者の協力により1994年5月に設立されました。本来の目的である網膜色素変性症とその類縁疾患の治療法開発のための研究に対し,助成を行っております。第17回の応募要項は以下の通りです。

べらどんな 寡占化

著者:

ページ範囲:P.1713 - P.1713

 医書の出版社は大変だろうと思う。日本にはざっと30万人の医師がいるが,専門が細分化しているので,本を出しても大部数は期待できない。眼科だと1万4千が上限であり,ベストセラーはまず無理である。

 アメリカでも事情は似ている。眼科関係では大手3社があるとみている。横綱がSaundersとMosbyで,これにWilliams & Wilkinsが続く。どれも立派な出版社で,優れた内容の本を安い価格でわれわれに提供している。

ことば・ことば・ことば 虚

ページ範囲:P.1726 - P.1726

 英語を習い始めてから50年以上になります。しかしまだ,アメリカの中学生なら楽にできても,こちらにはまず無理ということがいくらもあります。

 その1例がアメリカの州の名前でしょうか。カリフォルニア,テキサス,フロリダなどと断片的には言えても,とても20以上は頭に浮かんできません。そもそも合衆国の州の数が47だったか,それとも48なのかさえ自信がないのです。

公益信託須田記念緑内障治療研究奨励基金 平成23年度(第25期)奨励金受給者決定

ページ範囲:P.1750 - P.1750

 平成23年度は,多くの応募者の中から厳正なる審査の結果,下記の方々に研究奨励金として各100万円を給付し,「第23回日本緑内障学会」で報告いたしました。

べらどんな 正視化

著者:

ページ範囲:P.1764 - P.1764

 精度がバラバラの部品でも,組み立てるとちゃんとした製品になることがある。

 ゼロ戦,正式には零式艦上戦闘機でそれがあった。前線の基地に,片翼をもがれたゼロ戦とエンジンが壊れたゼロ戦があった。主翼をつぎ足して1機にしようとしたが,ボルトの穴が合わない。結局,2機とも壊れたままほったらかしになった。ところが,墜落したB29でこれをしてみると,別々の飛行機の部品がぴったり合ったという。

学会・研究会 ご案内

ページ範囲:P.1785 - P.1787

投稿規定

ページ範囲:P.1788 - P.1789

希望掲載欄

ページ範囲:P.1790 - P.1790

著作権譲渡同意書

ページ範囲:P.1791 - P.1791

アンケート

ページ範囲:P.1792 - P.1792

次号予告

ページ範囲:P.1793 - P.1793

あとがき

著者: 鈴木康之

ページ範囲:P.1794 - P.1794

 本年も最終号となりました。先日,京都で開催された第66回日本臨床眼科学会は天候もよく,ところどころ美しい紅葉を楽しみながら,充実した内容で大変多くの知識,刺激を得ることができました。参加者も非常に多く,皆さま真剣かつ友好的に眼科臨床に関する有意義な議論ができたことだろうと思います。

 さて,本号の「今月の話題」は眼瞼腫瘍の再建がテーマです。眼瞼腫瘍を扱うこと自体があまりない眼科医が多いだろうなか,さらにその再建ともなるとなかなか学会でもセッションに参加しにくいことと思います。しかし,眼瞼腫瘍を専門にしている先生はもちろんのこと,たとえ自分が扱わなくても,そのような患者がどのように治療されるのかを知っておくことは大事なことであると思いますし,そのような内容をじっくり読めるところが『臨床眼科』のよいところだと思います。特に再建の分野ではいわゆる眼科の領域を超えた部分の組織を用いるのが当たり前の世界ということで,よほど頭を柔らかくしないとこのような治療は行い得ないだろう,と感服することしきりでした。

基本情報

臨床眼科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1308

印刷版ISSN 0370-5579

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