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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科66巻2号

2012年02月発行

文献概要

臨床報告

エタンブトール視神経症の経過観察にVFQ-25を用いた3例

著者: 中村洋介1 武田憲夫1 八代成子1

所属機関: 1国立国際医療研究センター病院眼科

ページ範囲:P.197 - P.201

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要約 目的:エタンブトール視神経症3例の経過観察にThe 25-item National Eye Institute Visual Functioning Questionnaire(VFQ-25)を用いた報告。症例:症例は71歳男性1例と64歳女性2例で,いずれもMycobacterium avium complexによる肺感染症に対してエタンブトールを内服していた。2例で両眼の視力低下,1例で両眼の色覚異常が突発した。エタンブトール内服を中止し,7~15か月後に全例で視機能が回復した。結果:全例でVFQ-25の総スコアであるコンポ7とコンポ10の値が低下し,自覚症状の改善とともにこれらの値が上昇した。結論:エタンブトール視神経症3例の経過観察で,視力と限界フリッカ値とともに,自覚症状を定量化できるVFQ-25が有用であった。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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