icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科66巻3号

2012年03月発行

文献概要

今月の表紙

低眼圧黄斑症

著者: 薄井紀夫1 鈴木健司1 天野史郎2

所属機関: 1総合新川橋病院 2東京大学

ページ範囲:P.239 - P.239

文献購入ページに移動
 56歳男性。視力は右0.06(0.5×-5.00D()cyl-2.50D 180°),左0.01(矯正不能),眼圧は右19mmHg,左18mmHgであった。両眼とも白内障を認め,左眼水晶体は亜脱臼し,前房内に硝子体脱出を認めた。左眼に対して,水晶体囊内摘出および前部硝子体切除,眼内レンズ縫着術を施行した。術後眼圧は5~7mmHgと低めを推移し,2週間目には黄斑部に皺襞を認め,低眼圧黄斑症と診断した。この時点での左眼視力は0.03(0.1×+6.50D()cyl-2.00D 180°)であった。写真には脈絡膜剝離もみられる。その後,自然経過で徐々に眼圧は上昇し始め,術後1か月目には左眼の眼圧は14mmHg,視力は0.1(0.3×+1.50D()cyl-4.00D 100°)となった。脈絡膜剝離も消失し,黄斑皺襞もわずかになった。術後3か月で左眼視力は0.3(1.0×+1.50D()cyl-2.25D 100°)に回復した。

 撮影にはトプコン社製のTRC-50IXを使用した。撮影で最も注意したことは各部位のフォーカス・色調をきちんと合わせること,周辺部まで撮影することの2点である。毎日の業務の中で色調にまで気を配ることは大変であるが,今後も努力していきたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?