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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科66巻3号

2012年03月発行

文献概要

特集 第65回日本臨床眼科学会講演集(1) 原著

眼内レンズ光学系の鑷子痕に感染が疑われて眼内レンズ交換に至った2例

著者: 渡辺一彦1 渡辺このみ1

所属機関: 1あさひ総合病院眼科

ページ範囲:P.281 - P.285

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要約 目的:眼内レンズ(IOL)光学系の鑷子痕に感染が疑われ,IOLの交換をした2例の報告。症例:症例は70歳と61歳の女性で,ともに白内障手術後6日目にIOL前面に鑷子痕に一致して白色沈着物が出現,前房炎症の悪化がみられた。抗菌薬,ステロイドの頻回点眼を行ったが悪化したため,その翌日IOLを摘出,交換した。房水および摘出IOLからは菌は検出されなかった。術後,再発なく,視力は改善した。結論:術後感染が疑われたIOLへの白色付着物に対し,IOLを交換することで,良好な視力予後を得ることができた。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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