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あとがき
著者: 天野史郎
所属機関:
ページ範囲:P.384 - P.384
文献購入ページに移動 『臨床眼科』2012年3月号をお送りします。本号から2011年10月に東京で行われた第65回日本臨床眼科学会の原著論文の掲載が始まります。発表演題全体の約20%の投稿をいただき,本号からしばらくの間,掲載されてまいります。
臨床眼科学会の原著論文の中の一つ,坂井譲先生らによる「TS-1®による涙道障害の多施設研究」では,抗癌剤であるTS-1による涙道障害107例の報告がされています。TS-1は国内メーカーが開発した経口抗癌剤で,胃癌,結腸・直腸癌を初めとして多くの癌に対して適応があり,国内での投与患者数が増加しています。TS-1投与患者の角結膜や涙道に障害が発生することは数年前から学会や論文で報告されてきましたが,この論文では100例を超える多数例での臨床像が報告されています。TS-1投与では細胞増殖抑制効果による角結膜や涙道における上皮細胞障害が起こると考えられますが,他の抗癌剤よりも角結膜や涙道の障害が起きやすい原因についてはまだ不明な点があります。TS-1による角結膜・涙道障害については,現在,日本角膜学会と日本涙道学会が共同研究調査を進めているところです。
臨床眼科学会の原著論文の中の一つ,坂井譲先生らによる「TS-1®による涙道障害の多施設研究」では,抗癌剤であるTS-1による涙道障害107例の報告がされています。TS-1は国内メーカーが開発した経口抗癌剤で,胃癌,結腸・直腸癌を初めとして多くの癌に対して適応があり,国内での投与患者数が増加しています。TS-1投与患者の角結膜や涙道に障害が発生することは数年前から学会や論文で報告されてきましたが,この論文では100例を超える多数例での臨床像が報告されています。TS-1投与では細胞増殖抑制効果による角結膜や涙道における上皮細胞障害が起こると考えられますが,他の抗癌剤よりも角結膜や涙道の障害が起きやすい原因についてはまだ不明な点があります。TS-1による角結膜・涙道障害については,現在,日本角膜学会と日本涙道学会が共同研究調査を進めているところです。
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