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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科66巻4号

2012年04月発行

文献概要

特集 第65回日本臨床眼科学会講演集(2) 原著

Hughes変法による悪性眼瞼腫瘍の治療

著者: 後藤浩1

所属機関: 1東京医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.427 - P.432

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要約 目的:眼瞼の悪性腫瘍に対するHughes変法の記述と成績の報告。対象と方法:上または下眼瞼の50%以上の全層切除が必要と判断された12例を対象とした。男性と女性ともに6例で,年齢は60~92歳(平均73歳)である。上眼瞼が4例,下眼瞼が8例で,全例で生検が行われ,脂腺癌10例,基底細胞癌1例,粘表皮癌1例である。腫瘍を切除した後に,瞼板と結膜弁(Hughes flap)および周囲の眼瞼皮膚の伸展皮弁で眼瞼を再建した。4~5週後にflapを切り離し,瞼縁組織をトリミングした。結果:瞼板と結膜弁に血行不全が生じた例はなく,平均18.3か月の観察期間中に再発または転移はなかった。整容的にも良好な結果が得られた。結論:眼瞼の悪性腫瘍に対するHughes変法は,侵襲が小さく,合併症が少ない。下眼瞼だけでなく,上眼瞼の腫瘍にも応用できる。

参考文献

1)Hughes WL:Reconstructive Surgery of the Eyelid. pp83-96, CV Mosby, St. Louis, 1943
2)Mauriello JA Jr, Antonacci R:Single tarsoconjunctival flap(lower eyelid)for upper eyelid reconstruction(“reverse”modified Hughes procedure). Ophthalmic Surg 25:374-378, 1994
3)Sa HS, Woo KI, Kim YD:Reverse modified Hughes procedure for upper eyelid reconstruction. Ophthal Plast Reconstr Surg 26:155-160, 2010
4)Cutler NL, Beard CA:A method for partial and total upper lid reconstruction. Am J Ophthalmol 39:1-7, 1955
5)Mustardé JC:Major reconstruction of the eyelids:functional and aesthetic consideration. Clin Plast Surg 8:227-236, 1981
6)Hawes MJ, Grove AS, Hink EM:Comparison of free tarsoconjunctival grafts and Hughes tarsoconjunctival grafts for lower eyelid reconstruction. Ophthal Plast Reconstr Surg 27:219-223, 2011

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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