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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科66巻4号

2012年04月発行

文献概要

特集 第65回日本臨床眼科学会講演集(2) 原著

多施設による緑内障患者の実態調査2009年度版―高齢患者と若年・中年患者

著者: 野崎令恵1 井上賢治1 塩川美菜子1 若倉雅登1 富田剛司2

所属機関: 1井上眼科病院 2東邦大学医学部眼科学第二講座

ページ範囲:P.495 - P.501

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要約 目的:眼科病院または診療所に通院中の緑内障あるいは高眼圧症患者の薬物治療状況の報告。対象と方法:30施設に通院中の緑内障あるいは高眼圧症患者3,074例を調査し,65歳以上の高齢患者1,951例と65歳未満の若年・中年患者1,123例での薬物治療の相違を検討した。2007年に行った調査と比較した。結果:平均使用薬剤数は高齢患者(1.8±0.9剤)が若年・中年患者(1.6±0.9剤)に比べて有意に多かった。両群ともに単剤例ではプロスタグランジン関連薬が,2剤併用例ではラタノプロスト+β遮断点眼薬の組み合わせが最多であった。前回調査と比べて,単剤例でプロスタグランジン関連薬の使用が有意に増加していた。結論:高齢患者と若年・中年患者での緑内障薬物治療は似ていた。前回調査と比較してプロスタグランジン関連薬がますます使用されていた。

参考文献

1)山田昌和:本邦の視覚障害の現状と将来.日本の眼科 80:1005-1009,2009
2)日本緑内障学会緑内障診療ガイドライン作成委員会:緑内障診療ガイドライン.第2版.日眼会誌 110:777-814,2006
3)中井義幸・井上賢治・森山 涼・他:多施設による緑内障患者の実態調査―薬物治療.あたらしい眼科 25:1581-1585,2008
4)塩川美菜子・井上賢治・森山 涼・他:多施設による緑内障患者の実態調査―正常眼圧緑内障と原発開放隅角緑内障.臨眼 62:1699-1704,2008
5)井上賢治・塩川美菜子・中井義幸・他:多施設による緑内障患者の実態調査―手術施行施設と非施行施設.眼臨紀 2:538-543,2009
6)増本美枝子・井上賢治・塩川美菜子・他:多施設による緑内障患者の実態調査―高齢患者と若年・中年患者.臨眼 63:1897-1903,2009
7)井上賢治・塩川美菜子・増本美枝子・他:多施設による緑内障患者の実態調査2009年度版―薬物治療.あたらしい眼科 28:874-878,2011
8)添田尚一・井上賢治・塩川美菜子・他:多施設による緑内障患者の実態調査2009年度版―正常眼圧緑内障と原発開放隅角緑内障.臨眼 65:1251-1257,2011
9)石澤聡子・近藤雄司・山本哲也:一大学附属病院における緑内障治療薬選択の実施調査.臨眼 60:1679-1684,2006
10)清水美穂・今野伸介・片井麻貴・他:札幌医科大学およびその関連病院における緑内障治療薬の実態調査.あたらしい眼科 23:529-532,2009
11)井上将至:多疾患を抱える高齢者に特徴的な薬の相互作用に要注意! 緑内障と不整脈.第3章薬を処方する前に押さえておきたいこんなこと,あんなこと.いきなり名医! 高齢者に対する薬の安全処方 多疾患時代のクスリのリスク.JMED Mook 6:145,2010
12)高山 淳:超高齢者の疾患別特徴.超高齢者の緑内障管理.坪田一男(編):眼科プラクティス22.抗加齢眼科学.92-95,文光堂,東京,2008
13)森 和彦:小児,妊婦,高齢者への薬剤選択.あたらしい眼科 25:799-804,2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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