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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科66巻5号

2012年05月発行

文献概要

臨床報告

紛失後約10年間結膜囊内に迷入していたハードコンタクトレンズの1例

著者: 佐野徹1 杉田公洋2 小松敏2 福喜多光志2 西井奈々2 井戸正史2 古田基靖3

所属機関: 1鈴鹿中央総合病院眼科 2伊勢赤十字病院眼科 3三重大学大学院医学系研究科神経感覚医学講座眼科学

ページ範囲:P.737 - P.739

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要約 目的:ハードコンタクトレンズを紛失してから10年後に上眼瞼腫瘤として発見された症例の報告。症例:30歳女性が3か月前に左眼上眼瞼の腫瘤に気づいた。10年前に左眼のコンタクトレンズを紛失したが,落としたものと思っていた。左眼上眼瞼を反転すると円蓋部に白色の腫瘤があり,手術で摘出した。肉芽で覆われた腫瘤内にハードコンタクトレンズがあり,その凹面が眼瞼に向いていた。結論:異物としてのハードコンタクトレンズは炎症反応を起こさずに長期間にわたり結膜囊内に貯留することがある。

参考文献

1)佐藤和雄:ハードコンタクトレンズが上眼瞼円蓋部結膜下に迷入した1例.眼臨 93:639-640,1999
2)石田幹二・曽谷治之・絵野尚子:長期間放置された結膜異物.あたらしい眼科 15:433-435,1998
3)山野井貴彦・遠坂 晋・中村泰久・他:円蓋部結膜に部分包埋され,10年後に摘出されたハードコンタクトレンズ.眼臨 92:1019,1998
4)藤田 聡・浅谷哲也・熊倉重人:ハードコンタクトレンズの結膜囊迷入.あたらしい眼科 21:1647-1648,2004
5)Heine S, Wohlrab TM, Rohrbach JM et al:Intrapalpebral migration of a form stable contact lens:a rare complication in contact lens practice. Klin Monbl Augenheilkd 211:70-71, 1997
6)Zola E, van der Meulen IJ, Lapid-Gortzak R et al:A conjunctival mass in the deep superior fornix after a long retained hard contact lens in a patient with keloids. Cornea 27:1204-1206, 2008.
7)小林貴樹・尾上正軒・田澤 豊:眼窩腫瘍を疑わせた眼窩内鉄片異物の1例.日眼紀 43:1512-1516,1992

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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