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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科66巻6号

2012年06月発行

文献概要

特集 第65回日本臨床眼科学会講演集(4) 原著

角膜潰瘍および角膜穿孔病態の臨床的検討

著者: 難波広幸1 成味真梨1 山下英俊1

所属機関: 1山形大学医学部眼科学講座

ページ範囲:P.807 - P.811

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要約 目的:角膜潰瘍と角膜穿孔の自験例についての,病態と社会的背景の報告。対象と方法:2011年5月までの5年間に受診した角膜潰瘍と角膜穿孔の131例135眼を診療録の記録に基づいて検索した。結果:角膜感染は95眼(男性35眼,女性60眼)であった。60歳代が最も多かった。非感染性潰瘍は18眼(男性8眼,女性10眼)で,9眼(50%)に自己免疫疾患があり,うち7眼では関節リウマチが関係していた。外傷性穿孔が15眼(男性13眼,女性2眼)にあった。治療前と治療後の視力には正の相関があった。外傷性角膜穿孔では農作業中の頻度が多かった。結論:角膜感染では重症化する前の治療開始が望ましい。角膜潰瘍と角膜穿孔では,診療と予防に関し,地域性と医療環境に留意する必要がある。

参考文献

1)感染性角膜炎全国サーベイランススタディグループ:感染性角膜炎全国サーベイランス.日眼会誌 110:961-972,2006
2)鈴木亜鶴・松本幸裕・内野裕一・他:重症周辺部角膜潰瘍の予後不良因子.日眼会誌 115:116-121,2011
3)髙崎芳成:リウマチ・膠原病の疫学.日本臨牀 67:458-462,2009
4)Lewallen S, Courtright P:Problems with current concepts of the epidemiology of Mooren's corneal ulcer. Ann Ophthalmol 22:52-55, 1990
5)Chen J, Xie H, Wang Z et al:Mooren's ulcer in China:a study of clinical characteristics and treatment. Br J Ophthalmol 84:1244-1249, 2000
6)我謝 猛・中村秀夫・長嶺紀良・他:過去3年間における開放性眼外傷の検討.眼臨紀 1:871-875,2008
7)中茎敏明・小浦裕治・西野耕司・他:過去5年間の高知大学眼科における穿孔性眼外傷の検討.眼臨 99:207-210,2005
8)白根雅子・中村文男・坂田広志・他:最近10年間の穿孔性眼外傷の統計的観察.眼臨 78:1150-1155,1984

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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