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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科66巻6号

2012年06月発行

文献概要

臨床報告

両眼レーザー虹彩切開術後に白内障手術未施行眼のみ角膜内皮細胞密度が減少した1例

著者: 渡辺一彦1 渡辺このみ1

所属機関: 1あさひ総合病院眼科

ページ範囲:P.917 - P.922

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要約 目的:両眼にレーザー虹彩切開術が行われ,1眼では角膜内皮細胞が減少し,白内障手術を受けた他眼では減少しなかった症例の報告。症例:68歳女性が両眼の霧視と眼痛で受診した。浅前房で散瞳により眼圧が上昇し,両眼の原発閉塞隅角緑内障と診断し,両眼にレーザー虹彩切開術を行った。その4年後に右眼に白内障手術を行った。その直前の角膜内皮細胞密度は右3,133/mm2,左3,123/mm2であった。その6年後に左眼の虹彩切開窓付近に角膜上皮浮腫があった。角膜内皮細胞密度は右3,791/mm2,左288/mm2であった。左眼に白内障手術を行い,以後20か月間角膜内皮に著変はない。結論:レーザー虹彩切開術後に角膜内皮細胞が減少する可能性がある。白内障手術は内皮細胞の減少阻止に有効であった可能性がある。

参考文献

1)Pollack IP:Current concepts in laser iridotomy. Int Ophthalmol Clin 24:153-180, 1984
2)島﨑 潤:レーザー虹彩切開術後水疱性角膜症を解剖する.レーザー虹彩切開術後水疱性角膜症―国内外の状況.あたらしい眼科 24:851-853,2007
3)妹尾正・高山 良・千葉桂三:レーザー虹彩切開術後水疱性角膜症を解剖する.レーザー虹彩切開術後水疱性角膜症の病態―過剰凝固説.あたらしい眼科 24:863-869,2007
4)東原尚代:レーザー虹彩切開術後水疱性角膜症を解剖する.レーザー虹彩切開術後水疱性角膜症の病態―血液・房水柵破綻説.あたらしい眼科 24:871-878,2007
5)山本康明:レーザー虹彩切開術後水疱性角膜症を解剖する.レーザー虹彩切開術後水疱性角膜症の病態―房水ジェット噴流説.あたらしい眼科 24:879-883,2007
6)山上 聡・鈴木真理子・横尾誠一・他:レーザー虹彩切開術後水疱性角膜症を解剖する.レーザー虹彩切開術後水疱性角膜症の病態―マクロファージ説.あたらしい眼科 24:885-890,2007
7)加治優一・榊原 潤・大鹿哲郎:レーザー虹彩切開術後水疱性角膜症を解剖する.レーザー虹彩切開術後水疱性角膜症の病態―角膜内皮創傷治癒説.あたらしい眼科 24:891-895,2007
8)園田日出男・中枝智子・根本大志:白内障手術により進行が停止したレーザー虹彩切開術後の角膜内皮数減少症の1例.臨眼 58:325-328,2004
9)Yamamoto Y, Uno T, Ohashi Y et al:Demonstration of aqueous streaming through a laser iridotomy window against corneal endothelium. Arch Ophthalmol 124:387-393, 2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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