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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科66巻7号

2012年07月発行

文献概要

特集 第65回日本臨床眼科学会講演集(5) 原著

重症ドライアイに合併した涙囊炎に対する涙囊摘出の効果

著者: 廣瀬浩士1 佐久間雅史1 鶴田奈津子1 服部友洋1 久保田敏信1

所属機関: 1国立病院機構名古屋医療センター眼科

ページ範囲:P.1021 - P.1024

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要約 目的:重症ドライアイに併発した涙囊炎に対して涙囊摘出を行った結果の報告。対象:過去6年間に重症ドライアイに併発した涙囊炎に対して涙囊摘出を行った6例8側を検索した。男性1側,女性7側で,平均年齢は70歳である。結果:術前の涙管通水は全例が陰性で,膿の逆流があった。フルオレスチン染色スコア,涙液三角(tear meniscus)の高さ,Schirmerテスト1法,涙膜破壊時間など,他覚的所見は全例で改善した。自覚症状としては,YAGレーザーを使った2例で,創傷治癒に伴う疼痛があった。結論:重症ドライアイに併発した涙囊炎に対する涙囊摘出術で,術後の涙液動態が安定した。本術式は治療法として有用である。

参考文献

1)那須直子・横井則彦・西井正和・他:新しい涙点プラグ(スーパーフレックスプラグ)と従来のプラグの脱落率と合併症の検討.日眼会誌 112:601-606,2007
2)Kim BM, Oamanovic SS, Edward DP et al:Pyogenic granulomas after silicone punctual plugs:a clinical and histopathologic study. Am J Ophthalmol 139:678-684, 2005
3)竹村真貴・横井則彦・中村 葉・他:涙点プラグ挿入眼に発症した放線菌による涙小管炎.日眼会誌 106:416-419,2002
4)Marx JL, Hillman DS, Hinshaw KD et al:Bilateral dacryocystitis after punctal occlusion with thermal cautery. Ophthalmic Surg 23:560-561, 1992
5)栗橋克昭:Dacryology.第1版.257,メディカル葵出版,東京,1998
6)Toda I, Tsubota K:Practical double vital staining for ocular surface evaluation. Cornea 12:366-367, 1993
7)栗原秀行:眼科マイクロサージェリー.第4版.109-110,ミクス,東京,1999
8)横井則彦・西井正和・小室 青・他:涙液減少型ドライアイの重症例に対する新しい涙点閉鎖術と術後成績.日眼会誌 108:560-565,2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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