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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科66巻7号

2012年07月発行

文献概要

特集 第65回日本臨床眼科学会講演集(5) 原著

5年以上長期経過観察が可能であった高齢者の視機能検査と知能検査の推移

著者: 明尾潔1 明尾庸子1 加藤帝子1 小田真弓1

所属機関: 1あけお眼科医院

ページ範囲:P.1025 - P.1028

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要約 目的:老人ホームに住む高齢者の,5年以上の期間での知能と視機能の変化の報告。対象と方法:過去6年間に往診診察を行い,5年以上の経過が観察できた高齢者10例を対象とした。男性1例,女性9例で,観察終了時の年齢は,82~94歳,平均88歳であった。知能は知能指数(IQ),視機能は通常の眼科的検査とひらかな万国式近点検査表で評価した。結果:良好な側の片眼視力は,84歳時では0.8以上が5例,0.3~0.7が5例あった。85歳では0.8以上が7例,0.3~0.7が3例であり,88歳では0.8以上が2例,0.3~0.7が6例,0.1以下が2例であった。知能指数は,84歳では11歳以上が4例,2~12歳が5例,2歳以下が1例であり,85歳ではそれぞれ6,3,1例で,88歳ではそれぞれ1,6,3例であった。結論:平均年齢が85歳までは視力検査と知能検査によく応答したが,88歳に達すると反応が急減した。

参考文献

1)明尾 潔・明尾庸子・平沼帝子・他:老人ホームにおける高齢者の視機能検査と知能検査との関係.臨眼 64:303-306,2010
2)明尾 潔・井上理香子・田貝映子・他:視覚障害者にとって見やすい物体と階段―痴呆症状との関連について.眼科 46:981-988,2004
3)明尾 潔・小田真弓・植田好美・他:有料老人ホームへの在宅患者訪問診療.板橋区医師会医学会誌 11:257-259,2006
4)明尾 潔・小田真弓・植田好美・他:眼科往診診療における眼疾患と全身疾患―老人ホームと在宅患者の比較.臨眼 62:457-460,2008
5)鈴木治太郎:実際的個別的知能検査法による知能検査表.東洋図書,東京,1957
6)明尾 潔・小田真弓・植田好美・他:高齢者における視覚障害は光景や手元にあるものの配色にどのように影響するか―カラー図表による検討.板橋区医師会医学会誌 13:193-197,2008
7)明尾 潔・小田真弓・植田好美・他:高齢者における視覚障害の配色に与える影響―色相表示記号による検討.臨眼 63:711-715,2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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