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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科66巻7号

2012年07月発行

文献概要

特集 第65回日本臨床眼科学会講演集(5) 原著

両眼に発症した輪部デルモイドの1例

著者: 中村友美1 戸田良太郎2 曽根隆志2 近間泰一郎2 木内良明2

所属機関: 1市立三次中央病院眼科 2広島大学大学院医歯薬学総合研究科視覚病態学(眼科学)

ページ範囲:P.1029 - P.1033

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要約 目的:全身合併症がなく,両眼に発症した輪部デルモイドの症例の報告。症例:17歳女性が30か月前に両眼の輪部デルモイドと診断され,治療のため受診した。両眼に強度近視があり,矯正視力は右1.0,左1.5であった。右角膜の下方に径6mm,左角膜の下耳側に径7mmの楕円形で黄白色の隆起性腫瘤があった。両眼とも腫瘤に毛髪が数本あり,輪部デルモイドと診断した。全身麻酔下で両眼の腫瘤を摘出し,1個の新鮮角膜から採取した移植片で両眼に表層角膜移植術を行った。病理所見からデルモイドと診断した。術後矯正視力は右1.5,左1.2である。結論:全身合併症がない症例に,輪部デルモイドが両眼に発症することがある。本例では1個の新鮮角膜から両眼に表層角膜移植術を行うことができた。

参考文献

1)Arffa RC:Grayson's Diseases of the Cornea, 4th ed. 98-99, Mosby, St Louis, 1997
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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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