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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科66巻8号

2012年08月発行

文献概要

連載 眼科医にもわかる生理活性物質と眼疾患の基本・32

―臨床編:各種眼疾患と生理活性物質とのかかわり―生理活性物質というけれど……そもそも何?

著者: 中澤満1

所属機関: 1弘前大学大学院医学研究科眼科学講座

ページ範囲:P.1128 - P.1131

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はじめに

 本連載もかなり回が進み,これまでいろいろな眼の病態にさまざまな生理活性物質が関係していることをみてきた。近年,さまざまな疾患の病態が分子のレベルで理解されるようになり,それに伴って分子標的療法といわれる新しい治療法が開発され,実際に眼科の臨床にもいくつか導入されてきた。この連載のそもそもの目的の1つは,このような時代の趨勢にあって,例えば血管内皮増殖因子(vascular endothelial growth factor:VEGF)や腫瘍壊死因子α(tumor necrosis factor-α:TNF-α)に対するモノクローナル抗体製剤を眼科臨床で用いる際に,少なくともその基礎的な背景を理解していたほうが臨床医としてその力量の幅が拡がるであろうという点にある。そしてそれはまた,今後新たに開発されるであろう他の分子標的薬への理解の助けともなるであろうという点をも包含する。要するに医学全体を動かしている時代の流れに,眼科医としてうまく棹(さお)さして生きていくことができるよう企画されたものであった。

 そこで今回は次号の話題に入る前に,「そもそも生理活性物質とは何なのか」という根本的な疑問を解決するために,いったん立ち止まって知識を整理したい。

参考文献

1)山崎正利.サイトカイン学こと始め.サイトカイン最前線.http://www.riumachi.jp/patient/patient02/immunology/html/cytokine01.html
2)Van Geest RJ, Lesnik-Oberstein SY, Tan HS et al:A shift in the balance of connective tissue growth factor by bevacizumab causes the angiofibrotic switch in proliferative diabetic retinopathy. Br J Ophthalmol 96:587-590, 2012

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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