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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科66巻8号

2012年08月発行

文献概要

特集 第65回日本臨床眼科学会講演集(6) 原著

鼻側階段状視野欠損をきたした内頸動脈瘤の1例

著者: 森秀夫1 清水久雄1 小宮山雅樹2 石黒友也2 小山賢二3

所属機関: 1大阪市立総合医療センター眼科 2大阪市立総合医療センター脳神経外科 3小山眼科

ページ範囲:P.1181 - P.1184

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要約 目的:鼻側階段状視野欠損で初発した内頸動脈瘤の症例の報告。症例:61歳女性が鼻側階段状視野欠損で紹介受診した。31か月前に眼精疲労で近医を受診し,視力は正常であった。19か月前に乳頭の蒼白化があり,視力と視野は正常であった。所見:矯正視力は右0.5,左1.5で,眼圧は正常,乳頭の陥凹/乳頭比は右0.7,左0.4であった。Goldmann視野で右眼に上鼻側階段状視野欠損があった。初診の2か月後に行った頭部の単純CTで右内頸動脈瘤が発見され,動脈瘤コイル塞栓術が行われ,以後9か月後の現在まで視機能は維持され,経過は良好である。結論:鼻側階段状視野欠損を初発症状として内頸動脈瘤が発症することがある。

参考文献

1)Iwase A, Suzuki Y, Araie M et al:The prevalence of primary open angle glaucoma in Japanese:the Tajimi Study. Ophthalmology 111:1641-1648, 2004
2)湖崎 淳:緑内障管理と視野.視野から見た病期分類.湖崎分類.眼科プラクティス 15(視野).126-127,文光堂,東京,2007
3)日本脳ドック学会:脳ドックのガイドライン2008.改訂第3版.53-58,2008
4)Forget TR, Benitez R, Vezendaroglu E et al:A review of size and location of ruptured intracranial aneurysms. Neurosurgery 49:1322-1326, 2001
5)石川達哉:未破裂脳動脈瘤.山口 徹・北原光夫・福井次夫(編):今日の治療指針.2009年度版.660-661,医学書院,東京,2009
6)宮本和明:視交叉疾患の視野.眼科プラクティス15(視野).204-210,文光堂,東京,2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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