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特集 第65回日本臨床眼科学会講演集(6) 原著
東日本大震災早期の石巻中学避難所における眼科疾患の検討
著者: 松田聡1
所属機関: 1仲上アイクリニック
ページ範囲:P.1185 - P.1189
文献購入ページに移動要約 背景:東日本大震災は2011年3月11日に起こった。筆者は3月24~27日まで兵庫県医師会が派遣した医師団に加わり,石巻市で診療を行った。目的:石巻市仮設診療所で行った眼科診療の報告。対象:4日間に受診した眼科患者59名を対象とし,解析した。結果:男性23名,女性36名が受診した。年齢は70歳代が23名(39%)と最も多く,60歳以上が41名(69%)を占めた。受診疾患は,アレルギー性疾患25%,緑内障22%,白内障21%,眼底疾患14%,ドライアイ4%,その他14%であった。急性緑内障,網膜裂孔,網膜出血の重症者3名は石巻赤十字病院に紹介した。結論:震災の13日後には眼科医療のニーズが高まっていた。今後の大災害発生の際には,全国的な眼科組織による早急な支援チームの派遣が望まれる。
参考文献
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