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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科66巻9号

2012年09月発行

文献概要

書評

網膜硝子体手術SOS トラブルとその対策

著者: 竹内忍12

所属機関: 1竹内眼科クリニック 2東邦大学

ページ範囲:P.1401 - P.1401

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 術中,術後の合併症は避けることのできないものである。多数例の手術を経験した術者であればあるほど,合併症の経験も数多くあり,皮肉にもその分豊富な対処方法を持っている。その意味では,経験したことのない合併症に遭遇したら,直ちにベテランの術者にアドバイスを求めるのが妥当であろう。実際,昔のことであるが,他の病院から緊急の電話がかかり,「今,硝子体手術中に駆逐性出血が生じたので,どうしたらよいか!?」という問い合わせを受けたことがある。このように緊急時に対応できれば幸運であるが,必ずしもそのような恵まれた状況にあるとは限らない。何らかの合併症に遭遇したら,あらかじめある程度の知識があれば,合併症の程度を最小限にとどめることができるかもしれない。その意味で今回,RETINAの会から『網膜硝子体手術SOS――トラブルとその対策』が上梓されたことは,非常に喜ばしいことである。

 手術の合併症だけをまとめた成書は非常に少なく,特に網膜硝子体手術に関してはほぼ皆無であり,網膜硝子体手術を手がける術者にとっては待望の本が出版されたと言える。RETINAの会は,眼科サージャンズの会が行った症例検討会を引き継いで,年2回の割合で開催されてきたという。眼科サージャンズの会は,故田野保雄先生の提案で「失敗を素直に語り合う会」という一面があり,今回の『網膜硝子体手術SOS』は,まさに合併症への対策を受け継いできた歴史の集大成ではないかと個人的には思える。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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