文献詳細
連載 つけよう! 神経眼科力・34
文献概要
はじめに
広義の複像検査は,斜視や眼球運動障害,複視や頭位異常を示す疾患に対して,眼位ずれの性質や程度を自覚的に検査し,麻痺筋の診断や両眼視の状態を把握できる。
Hess検査は,各外眼筋の運動制限や過動の有無を明らかにし,Hessチャートとして記録に残すことで,眼筋麻痺の経過観察や手術効果の評価に有用である。大型弱視鏡による9方向むき眼位は,自覚的な回旋偏位を定量できる点,複像検査(狭義)は,特殊な機器を用いずに,大まかな麻痺筋を同定できる点で優れている。しかし,いずれの検査法も欠点や制約があるため,単独での判定は避け,他覚的な評価とともにほかの検査法と組み合わせて用いることが望ましい。
広義の複像検査は,斜視や眼球運動障害,複視や頭位異常を示す疾患に対して,眼位ずれの性質や程度を自覚的に検査し,麻痺筋の診断や両眼視の状態を把握できる。
Hess検査は,各外眼筋の運動制限や過動の有無を明らかにし,Hessチャートとして記録に残すことで,眼筋麻痺の経過観察や手術効果の評価に有用である。大型弱視鏡による9方向むき眼位は,自覚的な回旋偏位を定量できる点,複像検査(狭義)は,特殊な機器を用いずに,大まかな麻痺筋を同定できる点で優れている。しかし,いずれの検査法も欠点や制約があるため,単独での判定は避け,他覚的な評価とともにほかの検査法と組み合わせて用いることが望ましい。
参考文献
1)長谷部聡:Hess-Lancasterテスト.眼科診療プラクティス編集委員(編):眼科検査ガイド.320-323,文光堂,東京,2004
2)臼井千恵:大型弱視鏡.眼科診療プラクティス編集委員(編):眼科検査ガイド.338-351,文光堂,東京,2004
掲載誌情報