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連載 眼科図譜・365
Superior Segmental Optic Hypoplasiaの母娘例
著者: 西野和明1 川井基史2 吉田富士子1 新田朱里1 齋藤三恵子1 齋藤一宇1
所属機関: 1回明堂眼科・歯科 2旭川医科大学眼科
ページ範囲:P.1648 - P.1652
文献購入ページに移動Superior segmental optic hypoplasia(SSOH)はKimら1)により提唱された特殊な視神経低形成の概念で,視力は良好であるものの,視神経乳頭に4つの特徴がみられるほか,下方に大きな視野欠損が認められる症例と定義されている。視神経乳頭の4つの特徴とは,superior entrance of central retinal artery,superior scleral halo,superior disc pallor,superior nerve fiber layer lossで,国内においてはそれぞれ,網膜中心動脈の視神経乳頭入口部の上方偏位,視神経乳頭上部のハロー,蒼白な視神経乳頭上部,網膜神経線維層の上方欠損などと翻訳されている2)。
近年,疫学調査などの結果からSSOHはそれほど珍しい疾患ではないことがわかってきた3)。しかしながら,今日まで遺伝的な背景については,ほとんど知られておらず,家族内発症の報告もわずかである2)。今回筆者らは,別々の診療所でSSOHとして経過観察されていた母と娘の所見を偶然,照合することができたので報告する。
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