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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科67巻10号

2013年10月発行

文献概要

特集 第66回日本臨床眼科学会講演集(8) 原著

ガスタンポナーデを用いない分層黄斑円孔の手術成績

著者: 大坪哲三1 荒川明2 高塚忠宏1

所属機関: 1こうづか眼科 2横浜市立大学附属市民総合医療センター

ページ範囲:P.1699 - P.1704

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要約 目的:分層黄斑円孔に対し,ガスタンポナーデを用いない硝子体手術を行った成績の報告。対象と方法:過去54か月間に硝子体手術を行った分層黄斑円孔14例14眼を対象とした。男性3例,女性11例で,平均年齢は59歳である。ガスタンポナーデを用いず,20Gカッターで硝子体を切除し,内境界膜を剝離した。光干渉断層計(OCT)で術前後の所見を観察し,平均26か月の術後経過を追った。結果:術後のOCT所見は12例(86%)で改善し,2例(14%)で不変であった。改善するまでの術後期間は,平均4週であった。改善した症例のうち1例で,閉鎖後1年後に黄斑円孔が再発した。結論:分層黄斑円孔に対し,ガスタンポナーデを用いない硝子体手術で,高率の円孔閉鎖が得られた。

参考文献

1)Gass JD:Lamellar macular hole:a complication of cystoid macular edema after cataract extraction:a clinicopathologic case report. Trans Am Ophthalmol Soc 73:231-250, 1975
2)Witkin AJ, Ko TH, Fujimoto JG et al:Redefining lamellar holes and the vitreomacular interface:an ultrahigh-resolution optical coherence tomography study. Ophthalmology 113:388-397, 2006
3)Casparis H, Bovey EH:Surgical treatment of lamellar macular hole associated with epimacular membrane. Retina 31:1783-1790, 2011
4)岸 章治(編):OCT眼底診断学.第2版.96-103,エルゼビア・ジャパン,東京,2006
5)Haouchine B, Massin P, Tadayoni R et al:Diagnosis of macular pseudoholes and lamellar macular holes by optical coherence tomography. Am J Ophthalmol 138:732-739, 2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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