icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科67巻10号

2013年10月発行

文献概要

特集 第66回日本臨床眼科学会講演集(8) 原著

加齢黄斑変性におけるラニビズマブ硝子体内注射の反応不良例の検討

著者: 樋端透史1 香留崇1 内藤毅1 三田村佳典1

所属機関: 1徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部眼科学分野

ページ範囲:P.1709 - P.1712

文献購入ページに移動
要約 目的:加齢黄斑変性(AMD)に対するラニビズマブ硝子体内注射(IVR)の導入期における反応不良例の検討。対象と方法:2010年10月~2012年3月の間にAMDに対してIVRを施行され,導入期治療終了時に視力が不変もしくは悪化した28例28眼。反応不良症例の病型,治療前の病変最大直径(GLD),IVR前の治療歴,発症から治療までの期間などについて検討した。結果:同時期にIVRを施行した反応良好例と比較して,病型としてはポリープ状脈絡膜血管症(PCV),網膜血管腫状増殖(RAP)が多かった。PDTなどの治療歴のある症例も多い傾向にあった。反応不良例ではGLDの直径が有意に大きく(p<0.01),発症からの期間も有意に長かった(p<0.01)。結論:IVRの反応不良例では,PCVやRAPの占める割合が多く,GLDの大きさや治療歴,発症からの期間も関係する可能性が示された。

参考文献

1)田野保雄・大路正人・石橋達朗・他:ラニビズマブ(遺伝子組み換え)の維持期における再投与ガイドライン.日眼会誌 113:1098-1103,2009
2)Lalwani GA, Rosenfeld PJ, Fung AE et al:A variable-dosing regimen with intravitreal ranibizumab for neovascular age-related macular degeneration:year 2 of the PrONTO Study. Am J Ophthalmol 148:43-58, 2009
3)正 健一郎・尾辻 剛・津村晶子・他:ラニビズマブ硝子体内注射における反応不良例の検討.眼臨紀 4:782-784,2011
4)池森左也佳・加藤亜紀・安川 力・他:滲出性加齢黄斑変性に対するラニビズマブ硝子体内投与の成績.臨眼 65:1407-1411,2011
5)Kaiser PK, Brown DM, Zhang K et al:Ranibizumab for predominantly classic neovascular age-related macular degeneration:subgroup analysis of first-year ANCHOR results. Am J Ophthalmol 144:850-857, 2007
6)Boyer DS, Antoszyk AN, Awh CC et al:Subgroup analysis of the MARINA study of ranibizumab in neovascular age-related macular degeneration. Ophthalmology 114:246-252, 2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?