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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科67巻10号

2013年10月発行

文献概要

特集 第66回日本臨床眼科学会講演集(8) 原著

全層角膜移植後に悪性症候群を発症したParkinson病の1例

著者: 篠田美佳1 小沢昌彦1 梶原淳1 鍋島茂樹2 内尾英一1

所属機関: 1福岡大学医学部眼科学教室 2福岡大学医学部総合診療内科

ページ範囲:P.1733 - P.1736

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要約 目的:全層角膜移植後に悪性症候群を発症したParkinson病の1症例の報告。症例:69歳,男性。Parkinson病のためアマンタジン塩酸塩の内服加療中であった。左水疱性角膜症に対して,全身麻酔下で左全層角膜移植術,水晶体囊外摘出術および,眼内レンズ挿入術を施行した。術後,多量の発汗,振戦,筋強剛,意識障害が出現し術後せん妄が疑われた。治療開始したが改善せず,術後15日目から血清クレアチンキナーゼ値の上昇を認め悪性症候群と診断された。ダントロレンナトリウムの投与を開始したが,全身状態の改善なくショック状態となり,術後28日目に心肺停止となった。結論:Parkinson病患者における全身麻酔施行後には,悪性症候群を発症する可能性があり,全身管理に注意が必要である。

参考文献

1)中村 賢・益子健男・石井信一:パーキンソン病合併症開心術で悪性症候群をコントロールした1例.日心臓血管外会誌 36:81-84,2007
2)久野貞子:悪性症候群.Clin Neurosci 29:550-552,2011
3)山本賢司・相上和徳・櫛野宣久:悪性症候群のCK値上昇に影響を与える要因について.精神科治療学 19:357-362,2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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