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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科67巻10号

2013年10月発行

文献概要

特集 第66回日本臨床眼科学会講演集(8) 原著

エタンブトール視神経症の検討

著者: 門屋郁子1 松山浩子1 山内知房12

所属機関: 1国立病院機構姫路医療センター眼科 2ツカザキ病院眼科

ページ範囲:P.1737 - P.1742

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要約 目的:エタンブトール(以下,EB)視神経症の発症頻度およびその経過についての検討。対象と方法:最低3か月以上経過観察できたEB内服患者405名(男性218名,女性187名平均58.4歳)を対象とした後ろ向き研究。全例で視力および中心フリッカ値(以下,CFF値)を測定し,一部の症例で色覚および視野について検討した。結果:EB視神経症発症者は405例中7例で発症頻度1.73%であった。男性3例,女性4例で,平均年齢は72.4歳(61~81歳)であった。いずれもEB中止となり徐々に視力とCFF値は改善したが,2例3眼では高度の視力障害が残存した。これらは,投与中止までに時間がかかった症例であった。結論:EBは時に重篤な視神経障害を生じることがあるので,早期に発見し投薬中止の検討をすることが重要である。

参考文献

1)戸来小太郎・渡部ゆう・草深明子・他:東京都内保健所への結核対策関連調査と都内結核罹患構造についての検討.結核 87:249,2012
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3)吉沢久雄・多田幸彦・小林春彦・他:抗結核化学療法剤Ethambutolによる視力障害についての調査報告.結核 47:121-127,1972
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6)福田宏美・大窪容子・森 秀夫:エタンブトール視神経症の1例.臨眼 65:375-380,2011
7)大沼貴弘・井上正則・諫山義正:エタンブトール視神経症.臨眼 75:621-624,1981
8)高田洋子・佐藤文平・中島正之:エタンブトール視神経症の現況分析.臨眼 83:456-459,1989
9)比嘉利沙子・塩川美菜子・深作貞文・他:エタンブトール視神経症の耳側感度低下.臨眼 62:473-478,2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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