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特集 図で早わかり 実戦!眼科薬理 Ⅱ.眼科臨床薬理各論 1.外眼部・前眼部疾患
単純ヘルペス角膜炎
著者: 星最智1
所属機関: 1藤枝市立総合病院眼科
ページ範囲:P.62 - P.65
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◎アシクロビルはヘルペスウイルスのチミジンキナーゼによってリン酸化され,ウイルスのDNA合成を阻害することで抗ウイルス作用を示す。
◎バラシクロビルはアシクロビルのプロドラッグであり,アシクロビル内服よりも生物学的利用能が優れた薬剤である。
◎上皮型角膜ヘルペスの病態は角膜上皮細胞のウイルス感染であり,アシクロビル眼軟膏で治療する。
◎実質型と内皮型角膜ヘルペスの病態は標的細胞のウイルス感染とウイルス抗原に対する宿主の免疫反応と考えられており,アシクロビル眼軟膏やバラシクロビル内服による抗ウイルス治療と,副腎皮質ステロイド薬の点眼または内服による消炎治療を行う。
◎アシクロビルはヘルペスウイルスのチミジンキナーゼによってリン酸化され,ウイルスのDNA合成を阻害することで抗ウイルス作用を示す。
◎バラシクロビルはアシクロビルのプロドラッグであり,アシクロビル内服よりも生物学的利用能が優れた薬剤である。
◎上皮型角膜ヘルペスの病態は角膜上皮細胞のウイルス感染であり,アシクロビル眼軟膏で治療する。
◎実質型と内皮型角膜ヘルペスの病態は標的細胞のウイルス感染とウイルス抗原に対する宿主の免疫反応と考えられており,アシクロビル眼軟膏やバラシクロビル内服による抗ウイルス治療と,副腎皮質ステロイド薬の点眼または内服による消炎治療を行う。
参考文献
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3)感染性角膜炎診療ガイドライン作成委員会:感染性角膜炎診療ガイドライン.日眼会誌 111:769-809,2007
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