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特集 図で早わかり 実戦!眼科薬理 Ⅱ.眼科臨床薬理各論 5.網膜疾患
網膜中心動脈閉塞症
著者: 國方彦志1
所属機関: 1東北大学大学院医学系研究科神経感覚器病態学講座眼科学分野
ページ範囲:P.224 - P.230
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◎発症時期から大別した網膜中心動脈閉塞症治療の目的は,急性期には網膜中心動脈の再灌流,亜急性期には血管新生合併症発症の予防,長期的には目または他臓器の虚血性イベント発症の予防,の3つに分けられる。
◎エビデンスが明らかに証明されている効果的な網膜中心動脈閉塞症の治療は,現在でも存在しないのが現状である。
◎血管新生緑内障が続発する可能性を考慮すると,視力にかかわらず,少なくとも発症後4か月程度は毎月のフォローが必要と思われる。
◎網膜中心動脈閉塞症に対する薬剤を用いた治療は,全身に影響することが多く,血栓溶解薬,眼圧降下薬,星状神経節ブロックなど各治療・手技においてそれぞれ重篤な副作用・合併症があるので十分に注意する。
◎発症時期から大別した網膜中心動脈閉塞症治療の目的は,急性期には網膜中心動脈の再灌流,亜急性期には血管新生合併症発症の予防,長期的には目または他臓器の虚血性イベント発症の予防,の3つに分けられる。
◎エビデンスが明らかに証明されている効果的な網膜中心動脈閉塞症の治療は,現在でも存在しないのが現状である。
◎血管新生緑内障が続発する可能性を考慮すると,視力にかかわらず,少なくとも発症後4か月程度は毎月のフォローが必要と思われる。
◎網膜中心動脈閉塞症に対する薬剤を用いた治療は,全身に影響することが多く,血栓溶解薬,眼圧降下薬,星状神経節ブロックなど各治療・手技においてそれぞれ重篤な副作用・合併症があるので十分に注意する。
参考文献
1)Hayreh SS, Weingeist TA:Experimental occlusion of the central artery of the retina. IV:Retinal tolerance time to acute ischaemia. Br J Ophthalmol 64:818-825, 1980
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9)小林奈美江・島田頼於奈・小林健太郎・他:超急性期網膜中心動脈閉閉塞症に組織プラスミノゲン活性化因子(rt-PA)静注療法を施行した1例.臨眼 65:219-224,2011
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