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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科67巻12号

2013年11月発行

文献概要

臨床報告

眼灌流液中にガラスアンプルによるガラス片異物を認めた1例

著者: 助川俊之1

所属機関: 1加賀市民病院眼科

ページ範囲:P.1875 - P.1878

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要約 目的:内眼手術時の散瞳維持目的に術前点眼処置や,眼灌流液へのエピネフリンの添加などが行われている。今回,エピネフリンのガラスアンプル製剤から眼灌流液にガラス片異物が混入した症例を経験したので報告する。症例:水晶体再建術を施行時,前房内に異物を認め,超音波チップにて確保,摘出した。所見:異物は約1mm×1.5mmで,残余眼灌流液にも15~113μm大のガラス片様異物を12個認めた。エネルギー分散形X線分光器にてSi,O,Alが検出され,ガラス由来物質と推定された。再現実験にてガラスアンプルから異物が混入することが確認された。結論:ガラスアンプル製剤はアンプルカット時にガラス片異物が発生し,薬液に混入する。

参考文献

1)大原國俊・大久保彰・宮本孝文・他:ブロムフェナクナトリウムの白内障手術中の縮瞳抑制効果.臨眼 58:1325-1328,2004
2)大見謝恒人・松村 哲・新垣 均・他:超音波白内障手術中の縮瞳に対するエピネフリン添加灌流液の効果.臨眼 48:1837-1840,1994
3)青山敏信:注射剤の異物汚染―その2.月刊薬事 16:1847-1861,1974
4)真田 進・早崎孝則・藤内 都・他:アンプルカット時の注射液のガラス細片汚染(その2).臨床と研究 70:1826-1829,1993
5)Patrick AB:Achieving quality in nutrition support services:the team approach.静脈経腸栄養 16:113-121,2001
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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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