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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科67巻12号

2013年11月発行

文献概要

臨床報告

視野の加齢性変化

著者: 林泰博1

所属機関: 1清川病院眼科

ページ範囲:P.1885 - P.1888

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要約 目的:動的視野の加齢による変化の報告。対象と方法:65歳以上の68症例につき,Goldmann動的視野を測定した。水晶体の加齢による影響を除外するために,全例が白内障手術を受けていた。症例を65歳以上で75歳未満の前期高齢者群12例,75歳以上で85歳未満の後期高齢者群38例,85歳以上の超高齢者群18例に振り分けた。年齢が27~49歳,平均41歳で,有水晶体眼で白内障がない青壮年者群18例を対照として,結果を比較した。視野として,Ⅰ-4とⅠ-2イソプタの面積をコンピュータで測定した。結果:青壮年者群では,他の3群よりも視野が広かった。前期高齢者群では,後期または超高齢者群よりも視野が広かった。後期高齢者群と超高齢者群の問には視野面積に差がなかった。結論:白内障手術を受けた65歳以上の高齢者の視野面積は,有水晶体眼で白内障がない49歳未満の青壮年者よりも狭かった。85歳を境とする後期高齢者と超後期高齢者とでは視野面積に差がなかった。

参考文献

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3)中野 匡:Goldmann視野解釈の基本.眼科プラクティス15(視野).90-95,文光堂,東京,2007
4)鈴村弘隆・古野史郎・松尾治亘:立体視野の体積及び形状係数による客観的評価法,年代別正常値と異常視野について.眼紀 34:2448-2457,1983
5)市川 宏:視野.市川 宏(編):新臨床眼科全書2B(眼機能学2).14-15,金原出版,東京,1993
6)奥山幸子:高齢者の視野検査.あたらしい眼科 29:19-24,2012
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8)鈴村弘隆・田辺栄嗣・臼井正彦:老人の視野と色覚.眼科MOOK 29 老人と眼.25-35,金原出版,東京,1986
9)馬場裕行:ゴールドマン視野の立体角による定量化.日眼会誌 90:210-214,1986

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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