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雑誌目次

雑誌文献

臨床眼科67巻13号

2013年12月発行

雑誌目次

特集 新しい角膜パーツ移植

全層角膜移植

著者: 福田昌彦

ページ範囲:P.1926 - P.1930

はじめに

 角膜移植術は,約30年前は全層角膜移植術,表層角膜移植術の2種類のみであった。しかし,20数年前から始まった角膜移植の進歩は目覚しく,あっと言う間に悪い部分のみ取り替えるパーツ移植の時代となった。上皮細胞のみが悪いStevens-Johnson症候群,幹細胞疲弊症,広範囲の角膜化学熱傷などにはkeratoepithelioplasty,角膜輪部移植などが積極的に行われるようになり,良好な成績が報告されている。

 角膜実質のみが悪い角膜ジストロフィや円錐角膜の場合は,自己の内皮細胞とDescemet膜は残して,上方の実質と上皮を移植する深層角膜移植(deep anterior lamellar keratoplasty:DALK)が行われる。Descemet膜の穿孔,2重前房のリスクはあるが内皮型の拒絶反応のリスクはなく術後管理は容易で有効な方法である。

 角膜内皮のみが悪い水疱性角膜症の場合は,内皮細胞のみを移植する角膜内皮移植(Descemet stripping automated endothelial keratoplasty:DSAEK)が行われる。この方法は,手術の難易度は高いが,角膜に縫合糸が必要ないため術後視力が大変良好で患者の満足度も高い非常に優れた手術である。

 パーツ移植は非常に優れた方法であるが,すべての症例がパーツ移植の適応になるわけではなく,全層角膜移植が必要となる疾患は多く存在する。角膜穿孔や角膜真菌症での治療的角膜移植などが代表的なものであろう。角膜専門医は,まず全層角膜移植を完璧にマスターすることが求められており,その後に各種パーツ移植に精通する必要があるのではないかと考える。全層角膜移植はオープンスカイの状態となるために,水晶体脱出,駆逐性出血などのリスクが伴う。安全,確実な手技を獲得しておくことは非常に重要である。

フェムト秒レーザーを用いた表層角膜移植

著者: 相馬剛至 ,   前田直之

ページ範囲:P.1932 - P.1936

はじめに

 表層角膜移植は全層角膜移植に次いで古くから行われている角膜移植である。従来はマニュアルにてホスト角膜の切除およびドナー角膜の作製を行っていたが,近年,屈折矯正に用いられていたフェムト秒レーザーが角膜移植に応用され,大きなブレークスルーとなった。本稿ではフェムト秒レーザーを用いた表層角膜移植について,その特徴を述べる。

深層層状角膜移植

著者: 榛村真智子 ,   榛村重人

ページ範囲:P.1938 - P.1943

はじめに

 全層角膜移植一辺倒の時代から角膜パーツ移植全盛の時代に移り変わって久しい。特に角膜内皮移植の最近の進歩は目覚ましく,手術方法の改良や新しい手術器具の開発が相次いでいる。そんななかにあって,深層層状角膜移植(deep anterior lamellar keratoplasty:以下,DALK)はやや地味な存在かもしれない。しかし,術中はopen skyとならないため安全性が高く,術後内皮型拒絶反応の心配がなく,視力の回復もよい,患者にとって恩恵の多い素晴らしい手術である。数ある角膜パーツ移植のなかでは難易度が比較的高く,習得が難しい手術であるのは否定できないが,いくつかのコツを押さえると手術の成功度は確実に増す。本稿ではDALKの基本的な部分から総おさらいをしつつ,最新情報をまじえて解説していきたい。

角膜内皮移植

著者: 小林顕

ページ範囲:P.1944 - P.1950

はじめに

 ここ10年で,角膜内皮障害(水疱性角膜症)に対する外科的治療の中心は全層角膜移植から角膜内皮パーツ移植(以下,内皮移植)へと大きく変化した。アメリカアイバンク協会(Eye Bank Association of America)の発表によると,2005年には角膜移植全体に占める内皮移植の割合はわずか4.5%だったのに対して,2012年には,40%以上が内皮移植となっている1)。本稿では,現在世界的に行われている内皮移植であるDSAEK(Descemet's stripping automated endothelial keratoplasty)とDMEK(Descemet's membrane endothelial keratoplasty)の話題を中心として解説する。

今月の表紙

硝子体内ガス注入による網膜下血腫移動術後

著者: 風間今日子 ,   菅谷由起子 ,   宇多重員 ,   鈴木康之

ページ範囲:P.1920 - P.1920

 68歳,男性。前医から網膜下出血の精査・加療目的にて紹介され当院を受診した。初診時視力は右(1.2),左(0.04),中間透光体に軽度白内障(Emery-Little分類:Grade Ⅰ),左眼底に黄斑を含む比較的広範な網膜下出血を認めた。フルオレセイン・インドシアニングリーン蛍光眼底造影にて異常血管網と血管瘤様の過蛍光を認め,ポリープ状脈絡膜血管症と診断した。発症から17日目に硝子体内ガス注入による網膜下血腫移動術を行った。100% sulfur hexafluorideガスを約0.35ml硝子体内に注入し,ガスが消失するまで腹臥位を維持した。術後,黄斑下の出血は周辺側に移動し,術後10日目には視力も左(0.7)まで回復した。

 写真は,血腫移動術後1日目に超広角走査レーザ検眼鏡Optos200Tx®(OPTOS社製)で撮影した眼底写真である。術翌日でありガスは一塊となっておらず,大小多数のバブルとなって上方に貯留している様子が,後極から周辺まで1ショットで捉えた1枚の眼底写真の中に描出されている。上下眼瞼の睫毛の写り込みを抑える工夫として,サージカルテープで上下眼瞼を牽引して撮影を行った。

連載 今月の話題

網膜画像診断と機能解析

著者: 石龍鉄樹

ページ範囲:P.1921 - P.1925

 眼球は光信号を,細胞電位に変換し神経中枢に伝達することを目的としている。そのなかで網膜は中心的な働きをしており,その網膜機能を維持するために脈絡膜循環や網膜色素上皮細胞,網膜血管からなる血液網膜柵など眼球特有の機能が発達している。これらの機能を実現するために眼内には微細な組織構造が発達している。近年,画像診断の進歩でこれらの微細構造を細胞レベルで捉えることが可能になっている。また,眼底自発蛍光やレーザースペックルなど網膜機能自体を画像化する手法も登場し,画像診断機器を用いて網膜の機能解析を行う時代が始まっている。

基礎からわかる甲状腺眼症の臨床

甲状腺眼症の治療「眼瞼の位置異常はやっぱり手術?」の巻!

著者: 柿﨑裕彦

ページ範囲:P.1952 - P.1957

はじめに

 本連載もこれをもって最後となります。本稿で述べる治療内容は眼の形成外科に特化したような内容ですが,その本質は「眼表面の恒常性の維持・改善」です。本稿で解説する内容こそ,眼形成外科の目的,すなわち「形成外科的な手技をもって眼科治療を行うこと」を体現していると思います。さあ! 気合を入れて開始です!

やさしい目で きびしい目で・168

ネパールでの眼科医療

著者: 松山加耶子

ページ範囲:P.1959 - P.1959

 ネパールでの支援活動。それは名前だけを聞くとかっこよく感じる人がいるかもしれません。しかし,現実は支援を受ける側の思い,支援をする側の思いが錯綜し,そんなに甘くありません。それを彼らに優しくそして時には厳しく接することでお互い高めあっていけるようになりたいと願っています。

 まず私がネパールにかかわるようになったのは眼科に入局して5年目の年末年始のことでした。私は初めてアジア眼科医療協力会(AOCA)の方たちとネパールに行く機会をいただきました。ただそこまで身近に感じていなかった自分が,その2年後に縁があってネパール人の主催するアイキャンプに直接招かれ参加したことで大きく人生が変わったように思います。そしてネパールの北部を中心に支援する現在のヒマラヤ眼科医療を支援する会(EArTH)を立ち上げることになりました。

書評

サパイラ 身体診察のアートとサイエンス 原書第4版

著者: 黒川清

ページ範囲:P.1964 - P.1965

 本書はサパイラDr. Joseph D. Sapiraによる“Sapira's Art & Science of Bedside Diagnosis”の第4版(2009)の邦訳である。1989年の初版以後,原書はDr. Jane M. Orientによって著されている。不思議な本と感じるかもしれないが,臨床の神髄,醍醐味(だいごみ)が盛り込まれている。臨床の基本を患者との関係性(診る,聞く,話す,触る)から始め,記録し,分析する―。単なる臨床診断学というよりは,長い歴史の上に蓄積された経験値を論理的に考える過程で構築されてきた,医師と患者の「信頼」の歴史をひもといているのだ。

 現在の臨床の現場では,えてして「効率,コスト,検査」から始まり,ともすれば患者不在の「検査データに基づく現代風デジタル診療」と指摘される。そこから患者と医師の「信頼」関係が薄れ,医療事故や訴訟などへ発展するかもしれないと不安な,医学生,研修の現場への応援の書ともいえる。臨床は「アートとサイエンス」の神髄の伝統であり,その伝統を自分自身も継承してきた優れた先輩医師の気持ちだろう。これが良い伝統を次の世代へと受け渡す「好循環」の基本なのだ。このあたりが,このサパイラ本の面目躍如というか,他の臨床診断学の教科書と違っているところだ。

《眼科臨床エキスパート》所見から考えるぶどう膜炎

著者: 荻野公嗣

ページ範囲:P.1986 - P.1986

 医学書に教科書型と参考書型があるとすれば,本書は教科書型といえる。ぶどう膜炎の専門的な詳しい知識を網羅したというより,「所見」に的を絞った本である。ぶどう膜炎を診るとき,まず,疾患の候補名がいくつか頭に浮かばなければならない。そのためには,ぶどう膜炎の全体を通して勉強しておく必要がある。「所見」をカギにして要領よくまとめられた本書は,通読も容易で全体をとらえる教科書として最適といえる。

 総説は「ぶどう膜炎の診療概論」。肉芽腫性炎症と非肉芽性炎症の違いの説明はわかりやすい。少なくとも私が医局員の昔はこのような明快な解説はなかった。

臨床報告

Trabectomeのlearning curveについての検討

著者: 溝口尚則 ,   西垣士郎 ,   風間成泰 ,   岡田守生 ,   荻野誠周

ページ範囲:P.1967 - P.1971

要約 目的:緑内障に対するTrabectomeTMの熟練度の差による結果の報告。対象と方法:緑内障に対してTrabectomeが行われた56例60眼を対象とした。年齢は28~91歳,平均70歳であり,原発開放隅角緑内障34眼,正常眼圧緑内障6眼,落屑緑内障20眼であった。3人の術者が手術を行い,それぞれ最初の10例(計30例)と,これに続く10例(計30例)の結果を評価した。全例で3か月以上の経過を追った。結果:術後の眼圧下降率は,前半30例では16.5±28.0%,後半30例では21.6±20.2%で,両群間に有意差はなかった。Trabectomeの切開範囲,術後の視力低下,術後併発症について,両群間に有意差はなかった。術後の前房出血は,前半群で有意に多かった(p=0.04)。結論:3人の術者によるTrabectomeで,それぞれ最初の10例とこれに続く10例とで,ほぼ同等な結果が得られた。

糖尿病黄斑浮腫に漢方薬(黄連解毒湯)を投与した1症例

著者: 鴨下泉 ,   川崎恵 ,   村松恭代

ページ範囲:P.1973 - P.1978

要約 目的:糖尿病黄斑浮腫の症例に漢方薬(黄連解毒湯)を投与したので報告する。症例:21年の糖尿病歴を有し,7年前から経口血糖降下薬,1年前からインスリン治療中の66歳女性。1か月前から左眼視力障害を自覚し受診した。所見:矯正視力は右1.2,左0.2で,左眼に黄斑浮腫とその耳側に硬性白斑を認めた。黄連解毒湯製剤を内服し,1か月後に左眼視力は0.5,3か月後に0.9,2年後に1.0に改善した。光干渉断層計(OCT)により囊胞様黄斑浮腫の改善が確認された。初診から1年後に血糖コントロールが不良になったが,眼底病変の悪化は認めない。結論:片眼に糖尿病黄斑浮腫のある症例に黄連解毒湯を経口投与した結果,1か月後から黄斑浮腫が軽減し,視力が改善した。

血液透析患者のVogt-小柳-原田病に対するステロイド療法

著者: 安達功武 ,   宮川靖博 ,   工藤孝志 ,   木村智美 ,   横井由美子 ,   目時友美 ,   鈴木幸彦 ,   中澤満

ページ範囲:P.1979 - P.1985

要約 目的:血液透析中にVogt-小柳-原田病(原田病)が発症し,全身ステロイド療法を行った症例の報告。症例:69歳女性が10日前からの両眼霧視で受診した。19年前から高血圧があり,13年前から腎不全に対して血液透析を受けていた。所見:矯正視力は右0.4,左0.6で,両眼に漿液性網膜剝離と乳頭発赤と腫脹があった。前部ぶどう膜炎の所見は軽度であった。蛍光眼底造影などの所見から原田病と診断した。血液透析中なので泌尿器科の助言を求め,ステロイドパルス療法を行った。メチルプレドニゾロン1,000mgを3日間投与し,これを3回繰り返したのち,プレドニゾロンの内服を行った。網膜剝離は消失し,視力は右0.8,左1.0に回復した。結論:血液透析中に発症した原田病の症例に対し,ステロイドパルス療法が奏効した。副作用対策は透析患者の特殊性を考慮して慎重に行う必要があった。

エキシマレーザー近視矯正術後の白内障手術における眼内レンズ度数決定

著者: 尾藤洋子 ,   稗田牧 ,   加藤浩晃 ,   脇舛耕一 ,   山村陽 ,   山崎俊秀 ,   木下茂

ページ範囲:P.1987 - P.1993

要約 目的:屈折矯正手術の既往がある眼での白内障手術後の屈折の報告。対象と方法:過去に近視に対する屈折矯正角膜手術を受けた16例23眼に白内障手術を行った。男性21眼,女性2眼で,年齢は38~77歳,平均58歳である。眼内レンズ屈折値の予測には全例で手術直前の8種類の計測値を用い,うち10眼では屈折手術前の計測値を合わせて使用した。結果:全例で裸眼視力は改善し,全例で0.9以上の矯正視力が得られた。屈折矯正視力前の値を使用したCamellin-Calossi式で白内障手術後の屈折誤差の絶対値の平均値が0.38±0.29と良好な精度が得られたが,他の方法と比較して有意差はなかった。結論:屈折矯正手術の既往がある眼での白内障手術での眼内レンズ屈折値の決定では,白内障手術直前の値だけによる予測と,屈折矯正手術前の値を加味した予測とで,結果に有意差はなかった。

梅毒性網脈絡膜炎に合併した囊胞様黄斑浮腫にステロイド局所投与が奏効した症例

著者: 横山英恵 ,   田川義晃 ,   本田仁 ,   横井匡彦 ,   加瀬学 ,   石田晋

ページ範囲:P.1995 - P.1999

要約 目的:梅毒性網脈絡膜炎に併発した囊胞様黄斑浮腫にペニシリンと局所ステロイド投与が奏効した症例の報告。症例:59歳男性が9か月前からの左眼視力低下で受診した。10歳代に梅毒に罹患し,加療した既往がある。所見:矯正視力は右1.0,左0.2で,左眼にびまん性硝子体混濁と囊胞様黄斑浮腫があった。TPHAが高値で硝子体混濁とFAでの血管透過性亢進所見から,梅毒性網脈絡膜炎と診断した。ペニシリンGの大量点滴で2週後に左眼視力は0.6に改善した。残存した黄斑浮腫に対し,初診から68日後にトリアムシノロンのテノン囊下注射を行い,左眼視力は0.9に改善した。初診から20か月後の現在まで再発はない。結論:本症例でペニシリン投与後に残存した黄斑浮腫は,免疫性機序による炎症であったと解釈され,ステロイドの局所投与が奏効した。

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欧文目次

ページ範囲:P.1917 - P.1917

べらどんな 光は有害

著者:

ページ範囲:P.1951 - P.1951

 いま見ているテレビは2年前,パソコンは3年前に購入した。もちろん液晶である。

 従来のテレビには3原色が使われていたが,今回のには白が加わり,画面は4色で構成されている。それだけ画面が鮮明に見えるというので,これを選んだ。パソコンの機種を決めたのは「日本製」というのが大きな理由である。

ことば・ことば・ことば ハイフン

ページ範囲:P.1962 - P.1962

 小学校から大学入試まで,少なくとも12年間は国語の時間がありました。ところが,いくら考えても,句読点の使い方を教わった記憶がありません。「色々」というときの「々」をどう呼ぶのかも,古希を過ぎた現在でも知らないのです。

 いろいろ調べたあげく,「々」は「踊り字」というのだそうです。ただし踊り字にも何種類かがあり,「々」は「同の字点」が正確な呼び方です。

べらどんな 軟部解剖学

著者:

ページ範囲:P.1999 - P.1999

 「解剖学用語集」には学生の頃はよくお世話になっても,医師になると開く機会が少ない。それでもページを覗いてみると,いろいろ珍奇な言葉がある。

 いまの解剖学では,人名がついた用語,すなわち冠名用語はいっさい排除した。Schlemm管がsinus venosus sclerae「強膜静脈洞」となっているのがその例である。

第18回一般社団法人日本網膜色素変性症協会(JRPS)研究助成のご案内

ページ範囲:P.2000 - P.2000

 一般社団法人日本網膜色素変性症協会(Japanese Retinitis Pigmentosa Society, JRPS)では,特定非営利活動法人網膜変性研究基金と協同で,網膜色素変性とその類縁疾患の治療法開発のための研究に対し助成を行っております。第18回の応募要項は以下の通りです。

学会・研究会 ご案内

ページ範囲:P.2001 - P.2006

投稿規定

ページ範囲:P.2008 - P.2009

希望掲載欄

ページ範囲:P.2010 - P.2010

著作権譲渡同意書

ページ範囲:P.2011 - P.2011

アンケート

ページ範囲:P.2012 - P.2012

次号予告

ページ範囲:P.2013 - P.2013

あとがき

著者: 鈴木康之

ページ範囲:P.2014 - P.2014

 臨床眼科12月号をお送りします。今年ももう終わりに近づきましたが,本当にあっという間でしたね。夏の猛暑もつらかったですが秋は秋で台風の被害で各地とも大変でした。さて,今号の特集は「新しい角膜パーツ移植」です。角膜の内皮側ドナーのみを移植するDSAEK(Descemet's stripping automated endothelial keratoplasty)の普及は角膜移植の常識を一気に変えてしまった感がありますが,それ以外にも新しい術式としてDescemet膜と内皮細胞層のみを移植するDMEK(Descemet's membrane endothelial keratoplasty)や,より進んだ表層角膜移植としてフェムト秒レーザーを用いた術式の紹介,そして難しい術式として知られる深層層状角膜移植(deep anterior lamellar keratoplasty:DALK)が細かい詳細に解説されていて,専門外の人間にもとても参考になる特集です。さらに今月の話題として網膜画像解析および機能解析の最新情報のお話や基礎からわかる甲状腺眼症の臨床の最終回,臨床報告も尾藤先生のエキシマレーザー近視矯正術後の眼内レンズ度数決定に関する検討をはじめとして盛りだくさんです。是非ご精読お願いします。

基本情報

臨床眼科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1308

印刷版ISSN 0370-5579

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