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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科67巻2号

2013年02月発行

文献概要

臨床報告

高齢者における緑内障点眼の使用状況

著者: 林泰博1 北岡康史2

所属機関: 1清川病院眼科 2聖マリアンナ医科大学病院眼科学教室

ページ範囲:P.219 - P.223

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要約 目的:3か月以上緑内障点眼薬を使用中の75歳以上の患者61例を対象とし点眼状況について聞き取り調査を行った。対象と方法:調査方法は外来で患者との対面聞き取り法にて行った。また75歳以上85歳未満の後期高齢者群と85歳以上の超高齢者群に分け差異を検討した。結果:全体での平均点眼忘れのスコアは3.7±0.6,自立点眼可能な割合は90.2%であった。後期高齢者群での点眼忘れのスコアは3.8±0.5,超高齢者群では3.7±0.6であり有意差はなかった(p=0.88)。自立点眼可能な割合は後期高齢者群で96.9%,超高齢者群は82.8%であり後期高齢者群が多い傾向にあった(p=0.06)。結論:点眼忘れのスコアに差はなかったが点眼の自立度は超高齢者群で低い傾向にあり,安易な多剤療法は控えるべきである。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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