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著者: 坂本泰二
所属機関:
ページ範囲:P.236 - P.236
文献購入ページに移動さて,本号の特集は中心性漿液性脈絡網膜症です。網膜下液が貯留する原理を喜多先生,病態解析を髙橋先生,森本先生および丸子先生,関連因子を本田先生,治療方針を後藤先生,自発蛍光を石龍先生が解説されています。中心性漿液性脈絡網膜症は古くから知られていますが,ここ10年の間に新しい病態の理解とそれによる新しい治療法が確立された疾患のひとつです。今回の解説を読んで,この進歩には多くの日本人医師の貢献があったことがわかりました。巷間伝えられるように,日本の眼科研究レベルは決して低くはなかったのです。しかしながら,それは過去のことです。山中先生は受賞後の会見で「ノーベル賞受賞は過去のことであり,さらに新しく研究を進めたい」と述べられました。医学研究は,現在も弛まぬ勢いで進歩を続けています。10年後の本誌で,ある疾患の特集を組んだときに,その進歩にはやはり日本の研究者が大きく貢献していたといわれるためには,レベルは違えど山中先生のように常に新しい地平線を目指す努力が必要であると感じます。
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