icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科67巻3号

2013年03月発行

文献概要

特集 第66回日本臨床眼科学会講演集(1) 原著

糖尿病網膜症に合併した黄斑円孔の自然閉鎖の1例

著者: 松尾祥代1 中村靖1 松尾健士1 大黒浩2

所属機関: 1帯広厚生病院眼科 2札幌医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.297 - P.300

文献購入ページに移動
要約 目的:糖尿病網膜症眼に発症した黄斑円孔が自然閉鎖した症例の報告。症例:77歳女性が糖尿病で内科から紹介受診した。26年前に糖尿病と診断され加療中で,血糖コントロールは良好である。矯正視力は右1.0,左0.2で,眼底には福田分類でB2の糖尿病網膜症があった。両眼に汎網膜光凝固を行った。7年後に左眼は眼内炎で失明し,右眼は白内障と黄斑浮腫で視力が0.2に低下した。初診から9年後に検眼鏡と光干渉断層計(OCT)で右眼に黄斑円孔があった。網膜前に増殖膜はなかった。その4か月後に円孔部に架橋形成があり,さらに2か月後に黄斑円孔は閉鎖し,0.2の視力を維持している。結論:黄斑円孔が自然閉鎖したのは,円孔部に架橋形成があったためと推定される。

参考文献

1)Takahashi H, Kishi S:Optical coherence tomography images of spontaneous macular hole closure. Am J Ophthalmol 128:519-520, 1999
2)Mitamura Y, Saito W, Ishida M et al:Spontaneous closure of traumatic macular hole. Retina 21:385-392, 2001
3)鈴木智子・三田村佳典・大塚賢二:自然閉鎖した黄斑円孔症例のOCT所見.あたらしい眼科 22:1697-1699,2005
4)石原克彦・濱野利果・下田幸紀・他:増殖糖尿病網膜症に続発した黄斑円孔が自然閉鎖した1例.臨眼 60:1017-1020,2006
5)Lecleire-Collet A, Offret O, Gaucher D et al:Full-thickness macular hole in a patient with diabetic cystoid macular oedema treated by intravitreal triamcinolone injections. Acta Ophthalmol Scand 85:795-798, 2007
6)Kishi S, Hagimura N, Shimizu K:The role of the premacular liquefied pocket and premacular vitreous cortex in idiopathic macular hole development. Am J Ophthalmol 122:622-628, 1996
7)Brazitikos PD, Stangos NT:Macular hole formation in diabetic retinopathy:the role of coexisting macular edema. Doc Ophthalmol 97:273-278, 1999
8)Takahashi A, Nagaoka T, Kato Y et al:Spontaneous outer retinal closure of stage 1B macular hole without vitreofoveal separation. Int Ophthalmol 30:731-734, 2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら